E460 – 図書館防災計画のつくりかた-IFLA/PACがマニュアルを公表

カレントアウェアネス-E

No.79 2006.03.22

 

 E460

図書館防災計画のつくりかた-IFLA/PACがマニュアルを公表

 

 国際図書館連盟資料保存コアプログラム(IFLA/PAC)は,国立図書館177館を対象とした防災計画の制定状況に関するアンケート調査を2003年に行ったが,回答を寄せた73館のうち実際に防災計画を制定しているのは半数強にとどまり,大規模なところでも防災計画を制定していないことが明らかになった。防災計画を策定していない理由として「手本にすべきモデルがない」ことを挙げた図書館が複数あったが,実際には防災計画のモデルはいくつか公表されており,こうした情報が世界の図書館に十分伝わっていないという課題も示されていた。

 IFLA/PACは,図書館の防災計画を策定する際に参照できる情報を世界の図書館が共有する必要があるとの認識のもと防災計画マニュアルを作成し(E420参照),この度,『災害への準備と計画:簡略マニュアル』として公開した。世界のできるだけ多くの人が読めるように英語版,フランス語版,スペイン語版がある。主に,火災や水害などにより想定される図書館のリスク分析,被害を未然に防ぐ対策や災害発生時に図書館の被害を最小限に抑える対策(リスクマネジメント),被災した蔵書の救出など災害時の対応,復旧活動(CA1570参照)といった点について,防災計画策定の際に留意すべき点を記述している。

Ref:
http://www.ifla.org/VI/4/news/ipi6-en.pdf
Varlamoff, Marie-Therese et al. Survey on Disaster Planning in National Libraries. International Preservation News. (34), 2004, 23-38. (online), available from < http://www.ifla.org/VI/4/news/ipnn34.pdf >, (accessed 2006-03-15).
E420
CA1570