カレントアウェアネス-E
No.80 2006.04.05
E471
21世紀の図書館サービスを提案−“Love Libraries”
英国BBCの報道によると,英国の成人の5人に1人は地域の公共図書館を利用したことがなく,半数以上の人は図書館を利用する正当な理由がないとも答えているという。また,図書館を年金受給者が暖を取るための場所とみなしている人も15%いるとのことであった。こうした現状の中,ラミー(David Lammy)文化担当大臣は3月22日,新世紀にふさわしい図書館サービスの新しいビジョンを提案し,図書館の価値を知ってもらうための取り組みとして,“Love Libraries”キャンペーンを開始することを発表した。
このキャンペーンは,文化・メディア・スポーツ省,博物館・図書館・文書館国家評議会(MLA),英国の出版社9社,読書協会(the Reading Agency)などの合同による「将来の図書館パートナーシップ」(Future Libraries Partnership)により行われる。また,何人もの作家らがこのキャンペーンに対して支持を表明している。
“Love Libraries”では,選ばれた3つの図書館で,読書を中心とした図書館サービスを12週間で「劇的に」作り上げる。具体的には,老朽化した建物や内装を一新するほか,オンライン貸出の拡充,蔵書の再評価,開館時間の再考といった項目が考えられている。
Ref:
http://www.mla.gov.uk/webdav/harmonise?Page/@id=82&Document/@id=24142
http://www.lovelibraries.co.uk/
http://news.bbc.co.uk/1/low/entertainment/4832408.stm
http://www.ala.org/ala/alonline/currentnews/newsarchive/2006abc/march2006ab/britaincampaign.htm