E365 – 医療現場における情報行動−英国RCNの調査から

カレントアウェアネス-E

No.64 2005.08.17

 

 E365

医療現場における情報行動−英国RCNの調査から

 

 英国の王立看護大学(Royal College of Nursing:RCN)が行った看護師の情報ニーズに関する調査報告書が,RCNのホームページ上で公開されている。この調査は,英国内の看護師を対象として2004年6〜7月に実施したもので,1,715名の回答を得た。回答に基づく情報ニーズの分析は,「情報へのアクセス」「業務改善のための情報・知識」「継続的な学習に必要な情報」の3分野に分けて行われた。

 「情報へのアクセス」については,仕事上でインターネットを使用しないか,使用できないと答えた回答者は3割強であった。NHS(CA1536参照)の医療機関とそれ以外の機関とで比較すると,NHS以外の機関でインターネットを使用しないか,または使用できない環境にあるという回答者が相対的に多くみられた。施設としての医療図書館については,半数近くの回答者が「医療図書館を定期的に利用する」「必要な情報を入手しやすい」と答えており,一定の評価を得ていた。

 「業務改善のための情報・知識」については,回答者の約半数が業務を改善するためのエビデンス(医療行為の科学的根拠となる事例等)の調査を必要としていることや,情報収集のためのスキルの向上を多くの回答者が望んでいることが明らかになった。また,「継続的な学習に必要な情報」では,雇用主が看護師に対してエビデンスの調査を積極的に勧めているか否かと,回答者の学習時間には一定の関連が見られたほか,積極的に学習している回答者ほどエビデンスの調査結果を業務の改善に結び付けている傾向が明らかにされている。

Ref:
http://www.rcn.org.uk/news/display.php?ID=1650
http://www.rcn.org.uk/news/display.php?ID=1494
CA1536