カレントアウェアネス-E
No.56 2005.04.06
E316
米国愛国者法の見直しをめぐる動き
サンダース(Bernard Sanders)下院議員らは3月8日,第109議会に「2005年読書の自由保護法案」(H.R.1157)を提出した。この法案は,愛国者法215条が規定する業務記録の中から,図書館や書店の業務記録を除外することを定めたものである(CA1547参照)。
同様の法案は2003年3月,同議員らにより,150名を超える超党派の議員の支持を得て第108議会にも提出されたが,投票に至らなかった(E110参照)。その後,同議員は,2005会計年度の商務省・司法省・国務省歳出予算法案を修正して問題の規定に係る予算の計上を阻止しようとしたが,2004年7月に,僅差で否決されたという経緯がある。
一方,前共和党下院議員のバー(Bob Barr)氏を代表とする「愛国者法にバランスを取り戻す会(PRCB)」は,時限規定(2005年末まで)の延長にあたって,215条を含む3つの条項の内容を見直し,テロ対策と合衆国憲法修正第4条の規定(不当な逮捕,捜査,押収の禁止)との間のバランスを回復させようとする運動を展開している。3月22日にはブッシュ大統領に書状で訴えを伝えた。なお,現時点でこの運動への図書館関係団体の参加はない。
Ref:
http://www.ala.org/ala/alonline/currentnews
http://www.libraryjournal.com/article/CA510392
http://www.libraryjournal.com/article/CA513295
http://www.checksbalances.org/prcb%20press%20release.php
CA1547
E110