E261 – オープンアクセスのためのシステム基盤形成への動き(ドイツ)

カレントアウェアネス-E

No.47 2004.11.04

 

 E261

オープンアクセスのためのシステム基盤形成への動き(ドイツ)

 

 ドイツのカールスルーエ情報センターとマックス・プランク協会は,9月7日,連邦教育学術省から610万ユーロ(約8億4千万円)の助成を受け,ウェブを用いた共同学術研究のための新システムeSciDocの開発に着手すると発表した。eSciDocは科学コミュニケーションのあらゆる側面を支援するシステムとして構想されており,研究者による情報の創造,編集,同僚とのデータの共有,研究成果の発行,研究論文の保存を支援する機能をもつ。当初は,マックス・プランク協会傘下の80研究機関の研究活動の支援を目的とするが,将来的にはオープンソースのシステムとして公開していくとしている。

 また,ノルトライン・ヴェストファーレン州では,州の科学研究省が,9月30日,学術論文のオープンアクセス化を推進するために,州内の大学に60万ユーロ(約8千万円)を助成し,システム開発と提供される学術論文の利用促進のために必要な法的枠組み(ライセンス問題)の検討を行うプロジェクトDigital Peer Publishingを開始すると発表した。

 これらはいずれも、オープンアクセスに関するベルリン宣言(E144参照)の実現を目指して開始された取組みである。

Ref:
http://www.fiz-karlsruhe.de/pressroom/pilot-mpg_en.html
http://www.mpg.de/bilderBerichteDokumente/dokumentation/pressemitteilungen/2004/pressemitteilung200409061/index.html
http://www.mwf.nrw.de/Presse/Pressemitteilungen/2004/pm_30_09_2004.html
http://www.dipp.nrw.de/
E144