カレントアウェアネス-E
No.26 2003.11.19
E144
オープンアクセスをめぐる動き ベルリン宣言採択
ドイツのマックス・プランク協会(注)は,10月22日,「自然・人文科学における知識へのオープンアクセスに関するベルリン宣言」を採択した。採択には,同協会主催の国際会議に出席したドイツ国内を始め,フランス,イタリア,ノルウェー等の主要研究機関やドイツ図書館協会等が名を連ねている。
誰もが無料で学術研究の成果を利用できるオープンアクセスを実現するためには,知の生産と文化遺産の所有に関係するあらゆる人々の積極的な関与が欠かせないとして,同宣言は,(1)研究者に対しては,オープンアクセスの原則に則って研究成果を発行すること,(2)文化機関に対しては,インターネットを活用してオープンアクセスを支援することを奨励し,また,(3)オープンアクセスの対象となる研究成果の質を保証する手段を開発するとともに,それが研究者の業績評価の対象となるように運動を進めていくこと等をうたっている。
一方,米国では,学術雑誌の公共アーカイブを主張するPublic Library of Science (PLoS) が生物科学分野のオープンアクセス雑誌『PLoS Biology』を10月に創刊した(E046参照)。同誌は,公開後アクセスが集中し,一時サーバがダウンするほどの注目を集めている。
(注)Max-Plank Gesellschaft.傘下に80の研究機関を有し,自然科学から人文・社会科学に至る広範な学問領域において,大学では十分に取り組めない基礎研究に取り組んでいる非営利組織。
Ref:
http://www.mpg.de/english/illustrationsDocumentation/documentation/pressReleases/2003/pressRelease20031016/index.html
http://dbs.cordis.lu/cgi-bin/srchidadb?CALLER=NHP_EN_NEWS&ACTION=D&SESSION=&RCN=EN_RCN_ID:21090
http://libraryjournal.reviewsnews.com/index.asp?layout=article&articleid=CA330373&display=breakingNews
http://www.arl.org/arl/pr/plos_biology.html
E046