E072 – 欧州で公共図書館政策に関する国際会議が開催される

カレントアウェアネス-E

No.13 2003.04.16

 

 E072

欧州で公共図書館政策に関する国際会議が開催される

 

 情報社会における公共図書館の役割と機能を討議し,その実現のための行動計画の策定を目的とした国際会議「電子欧州(eEurope)における公共図書館,博物館,美術館,文書館の協働」が3月13日,14日の2日間,ポルトガルのオエイラス(Oeiras)で開催された。41か国から,関係閣僚を含む政策担当者,図書館関係者等170名あまりが参加した。欧州委員会の助成を受けて活動しているPULMAN Network of Excellence(注1)が主催した。

 会議では「オエイラス宣言」が採択され,(1)電子欧州行動計画(注2)に即して公共図書館の機能を強化し,すべての市民の情報ニーズに対応するために,国・地方自治体による十分な予算措置と支援が必要であること,(2)公共図書館は,デジタル技術を活用し,質の高いサービスを提供し市民の図書館利用を改善すること,特に弱者の社会的包含やデジタルデバイドへの対応を図るべきことが盛り込まれた。また,「民主主義と市民権」「生涯学習」「経済・社会の発展」「文化の多様性」という4つの側面から具体的な行動目標を掲げ,類縁文化機関と協働してこれらの課題に取り組むべきことが合意された。

(注1)公共図書館の革新と文化機関の連携の推進を目的とした欧州の共同プロジェクト。

(注2)情報化の便益をすべての欧州市民が享受できる情報社会の構築を目的として1999年からEUが実施している「電子欧州(eEurope)」イニシアチブの具体的な行動計画を示したもの。

Ref:
http://www.pulmanweb.org/news/PULMANconference.htm
http://dbs.cordis.lu/fep-cgi/srchidadb?ACTION=D&SESSION=226712003-4-10&DOC=1&TBL=EN_NEWS&RCN=EN_RCN_ID:19977&CALLER=EN_NEWS
http://inf2.pira.co.uk/factsheets/inform/digicult/pulman.html