カレントアウェアネス-E
No.13 2003.04.16
E071
IFLA「学術研究文献のオープンアクセスに関する宣言」草案を発表
国際図書館連盟(IFLA)は,「グラスゴー宣言(E002参照)」の理念に基づき全ての人々に広範な情報アクセスを保証するため,今年夏のベルリン大会で「学術研究文献のオープンアクセスに関する宣言(Manifesto on Open Access to Scholarly Literature and Research Documentation)」の採択を目指している。現在,9項目からなる草案が公表され,同案に対する意見を4月30日まで募集している。その概略は以下のとおり。
- 著作者人格権を承認し保護する。
- 公正で効果的な査読プロセスが学術文献の質を保証することを認識する。
- 開発途上国の研究者の質の高い学術研究を出版する機会を促進する。
- 全ての学術研究文献の著作権を,パブリックドメインへ移行されるまでの一定期間保護する。
- 自由なアクセスのために,法令や出版契約,ライセンスにおいて公正使用の規定を強化する。
- 全ての人々に対して,あらゆる種類の学術研究文献の入手を保証する。
- 障害者や開発途上国の住民など不平等な情報アクセス環境にある人々に対して,学術研究文献へのアクセスを提供する機構や制度を構築する。
- 関係法令や契約,ライセンスの中に,図書館や文書館での学術研究文献の保存を保証する規定を含める。
- 図書館と出版社とで,学術研究文献の保存を促す効果的なシステムを実施する。
Ref:
http://threader.ecs.soton.ac.uk/lists/boaiforum/39.html
E002