カレントアウェアネス-E
No.1 2002.10.02
E002
IFLAが「知的自由に関するグラスゴー宣言」と「持続的発展に関する声明」を発表
国際図書館連盟(IFLA)は,今年の年次大会において,「図書館,情報サービス,知的自由に関するグラスゴー宣言」(以下,「グラスゴー宣言」)と「図書館と持続的発展に関する声明」(以下,「声明」)を発表した。
「グラスゴー宣言」において,IFLAは,(1)情報へのアクセスと表現の自由は基本的人権であること,(2)国連世界人権宣言に定められた知的自由を擁護し推進すること,(3)知的自由を支持することは図書館情報専門職の中核的責務であることを謳っている。この宣言は,情報へのアクセスと表現の自由の委員会(IFLA/FAIFE)により作成されたものである。なお,同委員会は,インターネット上での情報アクセスと表現の自由を謳う「IFLAインターネット宣言( http://www.ifla.org/III/misc/im-e.htm )」を作成し5月1日に発表しているが,これも今大会の評議会で承認された。
一方,「声明」は,図書館情報サービスが情報アクセスと表現の自由を推進し,デジタル社会における情報格差の解消に資することにより,人々の生活の質の向上,社会参加の促進,市民権の保護等を支援することが可能であり,ひいては世界中の人々の健康で幸福な生活の実現と世界の持続的発展に貢献することができるとしている。
創立75周年を迎えたIFLAは,これらの宣言・声明により,図書館の社会的役割を高らかに表明し,今後の活動指針を示したといえよう。
Ref:
http://www.ifla.org/faife/policy/iflastat/gldeclar-e.html
http://www.ifla.org/III/eb/sust-dev02.html
日本図書館協会図書館の自由に関する調査委員会訳 IFLA図書館と知的自由に関する声明 図書館雑誌 93(9) 782-783,1999