E645 – IFLA/FAIFE,情報アクセス・知的自由の現況紹介レポート公開

カレントアウェアネス-E

No.106 2007.05.16

 

 E645

IFLA/FAIFE,情報アクセス・知的自由の現況紹介レポート公開

 

 2007年4月,国際図書館連盟・情報への自由なアクセスと表現の自由に関する委員会(IFLA/FAIFE)が,2002〜2006年に刊行した“World ReportSeries”の報告書5冊の電子版をウェブサイトで公開した。

 このシリーズは,世界の知的自由と図書館の状況を紹介するもので,2001年から毎年,IFLA年次大会にあわせて刊行されている。奇数年には,IFLA会員各国に対して情報アクセス・知的自由の現況を聞くアンケートを実施し,その結果を分析・紹介した“World Report”が,また偶数年には,情報アクセス・知的自由に関する特定のテーマについて論じた“Summary Report”が刊行されることになっている。これまでのSummary Reportのテーマは,2002年が「図書館,コンフリクトとインターネット」,2004年が「生涯リテラシーのための図書館−生涯学習とエンパワメント(empowerment)の基盤としての制限なき情報アクセス」,2006年が「HIV/AIDS,貧困,汚職との戦いと図書館」であった。World Report,Summary Reportのいずれの号とも充実した内容で,各国の図書館・情報サービスが直面する情報アクセス・知的自由に関する課題をつぶさに知ることのできる,重要な情報源となっている。

 2007年はWorld Reportの刊行年であり,各国への質問調査の実施について,IFLA/FAIFEから第一報が出されている。それによれば,(1)反テロ法制と図書館,(2)女性の情報アクセスの自由,(3)HIV/AIDSに関する啓蒙と図書館,の3つの主題について,重点的に調査を行うとされている。調査結果は,IFLAダーバン大会で公表される予定である。

Ref:
http://www.ifla.org/faife/report/intro.htm
http://www.ifla.org/faife/report/data-colletionWR2007.htm