カレントアウェアネス-E
No.1 2002.10.02
E001
第68回国際図書館連盟(IFLA)大会 <報告>
去る8月18日から24日まで,英国スコットランドのグラスゴーで第68回IFLA年次大会が「生活のための図書館:民主主義,多様性,伝達−過去の上に築く,未来に投資する」をテーマに,122か国4,765人の参加者を得て開催された。日本からも44人が参加した。今年は特にIFLA設立75周年にあたり,誕生の地エジンバラのある英国スコットランドに戻って,その歴史を顧み,将来の発展を期する目的があった。大会前には,ロンドンでの議会図書館分科会ほか各地で,いくつかのプレ・コンファレンス等も開かれた。
大会では,評議会で「図書館,情報サービス,知的自由に関するグラスゴー宣言」および「IFLAインターネット宣言」等が採択され,総会,部会・分科会の公開プログラム,ワークショップ等では,メインテーマを掘り下げた活発な論文発表と意見交換が行われた。全体として,変化する社会のニーズに応え,民主的な情報へのアクセスを促進する,電子情報時代の図書館サービスという重い課題への取り組みが確認された。
また,展示会,移動図書館展示,文化行事,図書館見学等の各種行事も大会を盛り上げた。
来年はベルリンでの開催となるが,その後ブエノスアイレス,オスロ,ソウルと続き,2007年の開催地は南アフリカ共和国のダーバンに決定した。
なお,本大会とは別に,「第29回国立図書館長会議」がエジンバラのスコットランド国立図書館で開催された。
(報告:那須雅煕)