カレントアウェアネス-E
No.396 2020.08.20
E2292
阪神・淡路大震災から25年目を迎えた図書館等の取組
関西館図書館協力課調査情報係
1995年1月17日に阪神・淡路大震災が発生してから,2020年で25年が経過した。節目の年を迎えるにあたり,各地で阪神・淡路大震災の経験や教訓を伝える動きが見られた。本稿では,被災地域を中心に,2019年10月から2020年6月にかけての図書館等の阪神・淡路大震災に関する動きについて主な情報を紹介する。
●デジタルアーカイブ等に関する動き
1月10日,朝日放送グループホールディングス株式会社が,ウェブサイト「阪神淡路大震災25年 激震の記録1995 取材映像アーカイブ」を公開した。
https://corp.asahi.co.jp/ja/info/info8697868243421756285/main/0/link/news_191210.pdf
https://www.asahi.co.jp/hanshin_awaji-1995/
1月15日,国土地理院は,ウェブ地図「地理院地図」において,阪神・淡路大震災関連を含め新たに24基の自然災害伝承碑を公開したことを発表した。
https://www.gsi.go.jp/bousaichiri/bousaichiri200115_00005.html
1月16日,神戸市が,兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科の協力を得て,阪神・淡路大震災「神戸GIS震災アーカイブ」を公開したと発表した。
https://www.city.kobe.lg.jp/a05822/20200116040301.html
https://www.city.kobe.lg.jp/a05822/shise/opendata/shinsai.html
1月17日から1月31日にかけて,国立国会図書館東日本大震災アーカイブ(ひなぎく)のトップページに,ひなぎくとメタデータ連携をしている神戸大学附属図書館デジタルアーカイブ震災文庫に収録されているデジタル化資料5点が掲載された。
https://kn.ndl.go.jp/static/2020/01/17?language=ja
●展示
神戸大学附属図書館社会科学系図書館が,2019年10月11日から2020年2月4日まで資料展「阪神・淡路大震災25年 あのときとこれから」を,1月16日から2月4日まで,学生による震災資料展『草の根市民メディアからの発信-「ミニコミ」から問う阪神・淡路大震災』を開催した。
https://lib.kobe-u.ac.jp/libraries/14266/
https://lib.kobe-u.ac.jp/libraries/15161/
神戸市立図書館が,震災25年関連行事として,2019年12月20日から2020年1月19日にかけて中央図書館で企画展示「#いつか来るから、備えてみた。―阪神・淡路大震災25年,みんなの防災対策」,1月に西図書館をはじめとした分館でパネル展示「神戸の慰霊碑を訪ねて」やミニ展示を実施した。
https://www.city.kobe.lg.jp/a09222/kosodate/lifelong/toshokan/kisyahappyou/582017982436.html
兵庫県の西宮市立図書館が,分館の鳴尾図書館で2019年12月6日から2020年2月5日まで「震災写真情報館」でインターネット公開している写真を展示する「震災写真展」,1月9日から2月5日まで,「防災」に関連する図書展示,1月7日から2月5日まで分館の北口図書館で阪急西宮北口駅周辺の震災からの復興の様子を記録した写真の展示と,震災や防災に関連する図書を紹介する「阪神・淡路大震災から25年~西宮北口駅周辺,復興へのあゆみ~」を実施した。
https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11457994/www.nishi.or.jp/kurashi/anshin/bosaijoho/shinsai25/08382832.html
1月の図書館展示として,神戸市の神戸親和女子大学附属図書館が「阪神・淡路大震災から25年」をテーマとした資料の展示を行った。
https://www.kobe-shinwa.ac.jp/files/0adc39f25e67578a7eb8b1e043c03f27_1.pdf
1月6日から1月31日にかけて,大阪府東大阪市の近畿大学中央図書館が,企画選書「阪神・淡路大震災から25年 防災を考える」を開催した。
https://www.clib.kindai.ac.jp/event/2019/1223-3125_16-131.html
1月7日から1月31日にかけて,大阪市立住吉図書館が「防災を考える本」展を開催した。
https://www.oml.city.osaka.lg.jp/index.php?key=mubirck3s-4871#_4871
1月7日から3月31日にかけて,神戸市の神戸松蔭女学院大学図書館が,展示「震災とボランティア」を実施した。
https://ksw.shoin.ac.jp/lib/tenji/tenjilist.html
1月11日から1月26日まで,滋賀県の愛荘町立愛知川図書館・愛知川びんてまりの館が,ミニ企画展「あの日を忘れない 阪神・淡路大震災から25年 正しく知ろう地震のこと」を実施した。
https://www.town.aisho.shiga.jp/toshokan/goannai/kakogyoji/1045.html#h_idx_iw_flex_1_19
1月15日から1月22日まで,京都府の宇治市中央図書館が,「阪神・淡路大震災から25年」をテーマに図書等の展示を行った。
https://www.city.uji.kyoto.jp/dayori/200115/HTML5/pc.html#/page/6
1月17日,兵庫県宝塚市の雲雀丘学園中学校・高等学校の図書室が,阪神・淡路大震災に関係する小説等の特集を行った。
https://www.hibari.jp/school_news/2020/01/f803cfd38d7e0e36bdaa30973c70479e53336c9c.html
1月17日から,神戸市の神戸女子大学図書館が,特別展示「阪神淡路大震災『1・17を忘れない』~25年目の決意~」を開催した。
http://lib.yg.kobe-wu.ac.jp/lib/oshirase/osirase_2019.html
2月から3月まで,大阪府高槻市の関西大学ミューズ大学図書館が,ミニ展示「災害と文学」を開催した。
https://opac.lib.kansai-u.ac.jp/index.php?key=jop7s23s3-51437
兵庫県立図書館が,特別展示「阪神・淡路大震災から25年~現在のボランティア事情~」を行った。
https://www.library.pref.hyogo.lg.jp/event/event_index2019.html
兵庫県の相生市立図書館では,阪神・淡路大震災の様子がわかる資料の特集を行った。
http://www.aioi-city-lib.com/category/1498937.html
兵庫県の稲美町立図書館が,利用者から寄贈を受けた震災翌日から1か月分の神戸新聞を図書館入口に展示する特集「阪神淡路大震災」を実施した。
https://web.archive.org/web/20200113085958/http://www.inami-library.jp/
5月22日,大阪市立図書館が,中央図書館に防災コーナーを設置したことを発表した。
https://www.oml.city.osaka.lg.jp/index.php?key=jofzu3m53-6714
兵庫県神戸市の人と防災未来センターが,12月3日から12月29日にかけて,同センター内で企画展「振り返る1995.1.17阪神・淡路大震災」,2019年12月13日から2020年3月8日まで,同センター内で企画展「阪神・淡路大震災から25年」,1月2日から5月上旬にかけて,同センター内でGISを用いたデジタル地図や新たな震災資料の展示を行った。また,1月7日から2月9日まで東京都新宿区の消防博物館で,1月10日から2月11日まで宮城県仙台市のせんだい3.11メモリアル交流館で巡回展,6月2日から,同センター内で展示「『伝える』 阪神・淡路大震災の教訓106」を開催した。その他,2019年12月13日,災害や防災関連資料からなる「河田文庫」を開設した。
http://www.dri.ne.jp/post-13042
http://www.dri.ne.jp/post-13491
http://www.dri.ne.jp/post-13658
http://www.dri.ne.jp/post-13649
http://www.dri.ne.jp/post-17178
https://www.facebook.com/dri.archives/posts/2956410174369216
●イベント,講演会,講習会,研究会など
兵庫県立図書館が, 12月22日「大災害を乗り越えるための心構えと行動」,2月1日「災害と災害ボランティア」を実施した。
https://www.library.pref.hyogo.lg.jp/event/event2019/tenjikanren2019.html
神戸市立図書館が,1月11日に須磨図書館で「知ろう備えよう 防災工作教室」,新長田図書館で「震災朗読会」を開催した。
https://www.city.kobe.lg.jp/a09222/kosodate/lifelong/toshokan/kisyahappyou/582017982436.html
1月17日に大阪市立図書館が,中央図書館で講座「図書館deECO『いつでも身近に防災を』」を開催した。
https://www.oml.city.osaka.lg.jp/index.php?key=joip6euee-510
2月8日から2月9日にかけて,歴史資料ネットワークおよび人間文化研究機構「歴史文化資料保全の大学・共同利用機関ネットワーク事業」が主催となり,神戸市の御影公会堂で第6回全国史料ネット研究交流集会を開催した。交流集会の案内では,災害時の歴史資料や文化財の保全活動が,阪神・淡路大震災を機に始まったということに触れている。
http://siryo-net.jp/event/20200208-9-koryushukai-kobe/
2月11日,兵庫県の西宮市立図書館が,阪神・淡路大震災25年事業として「災害イツモ講座 ~地震から台風まで,被災者から学んだ防災の知識や技のご紹介~」を開催した。
https://www.nishi.or.jp/shisei/koho/kishahappyoshiryo/2019nenn/201912/libshnsai25.html
人と防災未来センターが主催となり, 2月3日に兵庫県公館で「語り部フォーラム2020」,2月19日に同センターで震災25年特別展示関連セミナー「GISで見直す被災地図~デジタルデータ化の推進と今後の可能性」を開催した。
http://www.dri.ne.jp/post-13817
http://www.dri.ne.jp/post-14009
●その他
2019年11月14日,神戸市が,建築家の安藤忠雄氏から建築・寄贈の提案があった,阪神・淡路大震災の記憶の継承をコンセプトの一つとした子どものための図書館に関し,同氏から建物等の概要について提案があったことを発表した。
https://www.city.kobe.lg.jp/a05822/press/145642594463.html
https://www.city.kobe.lg.jp/documents/29326/besshi1.pdf