E220 – オンライン上の有害情報から子どもを守る法律・最新動向(米国)

カレントアウェアネス-E

No.40 2004.07.21

 

 E220

オンライン上の有害情報から子どもを守る法律・最新動向(米国)

 

 6月29日,米国の最高裁判所は,「子どもをオンライン情報から守る法律(COPA)」の施行を差し止める下級審の決定を支持し,COPAは違憲の疑いありとしたが,同法を無効とはせず下級審へ差し戻した。COPAは,子どもに有害と思われる商用情報を閲覧させる際の年齢確認をウェブサイト管理者に求めるものだが,1998年の可決以降施行はされていなかった。本裁判では,原告の一団体,米国自由人権協会(ACLU)の代理人ビーソン(Ann Beeson)氏が,COPAによらずとも両親がフィルタリングソフトを適切な方法で使えばよいと述べるなど,COPAよりも拘束性の小さい手段を求める意見が出された。

 同趣旨の法律には,ほかに「子どもをインターネットから保護する法律(CIPA)」(CA1473参照)もあるが,こちらは2003年に最高裁により合憲と判断されている(E098参照)。この判決を踏まえて,米国の公共図書館はフィルタリングソフトを導入するか,導入を見送って連邦からの補助金を諦めるかを選択することになっていたが,去る6月30日にその締切を迎えた。ALAの7月2日付プレスリリースでは,ニューハンプシャー州の図書館などがフィルタリングソフトの導入を見送った一方,オハイオ州の公共図書館などのようにフィルタリングソフトを導入した館もあるなど,数館の選択状況を紹介している。

Ref:
http://www.libraryjournal.com/article/CA431853
http://www.ala.org/Template.cfm?Section=News&template=/ContentManagement/ContentDisplay.cfm&ContentID=69619
http://www.libraryjournal.com/article/CA402264
http://www.ala.org/ala/alonline/currentnews/newsarchive/alnews2004/july2004ab/cipadead.htm
CA1473
E098