カレントアウェアネス-E
No.376 2019.09.19
E2174
東日本大震災後の図書館等をめぐる状況(2019/9/10現在)
関西館図書館協力課調査情報係
東日本大震災後の図書館等をめぐる状況について,本誌での既報(E2130ほか参照)に続き,2019年5月中旬から2019年9月上旬までの主な情報を紹介する。
●被災地の図書館等の活動
8月23日,石巻市図書館(宮城県)により仮設住宅団地を巡回していた移動図書館車「ひより号」が,住宅の再建が進んで仮設住宅入居者が減ったことから,運行を終了した。
http://www.is-lib.jp/hiyori201908.pdf
https://www.facebook.com/ishinomaki.library/photos/a.230464637699513/521332098612764/
https://hibishinbun.com/news/?a=9692
●デジタルアーカイブに関する動き
6月24日,国立国会図書館東日本大震災アーカイブ(ひなぎく)に,2018年に原子力規制委員会で行われた記者発表及び会議等の動画が追加された。
http://kn.ndl.go.jp/static/2019/06/24
●記録を残す活動・伝える活動
9月2日に福島県庁で開催された,第92回新生ふくしま復興推進本部会議・第11回福島イノベーション・コースト構想推進本部会議合同会議で,同県双葉郡双葉町に設置される東日本大震災・原子力災害アーカイブ拠点施設の名称が「東日本大震災・原子力災害伝承館」に決定した。
https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/fukkouhonbu-shinchaku.html
https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/345658.pdf
https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/list275-2061.html
https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/chiji/kaiken20190902.html
●展示
宮城県図書館で,3月9日から6月9日まで「東日本大震災文庫展IX 災害にそなえる ―いまこそ あらためて カクニンしよう―」及び東日本大震災文庫ミニ展示「災害にそなえる」が,3月10日から5月25日まで「3.11特集―地震・津波,原発事故,防災関連資料展示―」が,6月11日から8月9日まで東日本大震災文庫ミニ展示「震災と交通」が行われた。
http://www.library.pref.miyagi.jp/latest/events/exhibition/1311-great-east-japan-earthquake-exhibition-9.html
http://www.library.pref.miyagi.jp/latest/events/exhibition/1312-shinsaibunko-201903.html
http://www.library.pref.miyagi.jp/latest/events/entertainments/1350-201905-moyooshi.html
http://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11336030/www.library.pref.miyagi.jp/latest/events/exhibition/1363-shinsaibunko-201906.html
3月11日から5月26日まで,甲州市立塩山図書館分館甘草屋敷子ども図書館(山梨県)で,東日本大震災復興支援イベント第7回「ふくしまそうまの子どものえがくたいせつな絵展②」が開催された。
https://www.lib-koshu.jp/theme/news_enzan_shinsaisienntokusyuu.html
4月1日から5月12日まで,八戸市立南郷図書館(青森県)で,「磯崎孝男写真展 東日本大震災と復興」が行われた。
http://blog.tsdo.net/article/464973470.html
4月27日から7月30日まで,岩手県立図書館で,「三陸防災復興プロジェクト2019関連展示」が行われた。
http://www.library.pref.iwate.jp/info/evecale/minitenji/201905_kazari_sanriku.html
7月8日から8月17日まで,別府大学附属博物館(大分県)で,特別展「『被災文化財の修復と保存』―東日本大震災と九州の自然災害を通して―」が行われた。関連して,8月3日には,同大学歴史文化総合研究センターで,ワークショップ「被災資料の安定化処理技術 講義の実技」が開催された。8月4日には,同大学メディア教育・研究センターで,シンポジウム「第4回九州文化財保存推進連絡会議・九州文化財保存学研究会併催イベント『被災文化財の修復と保存』―東日本大震災と九州の自然災害を通して―」が開催された。
https://www.beppu-u.ac.jp/event/2019/07/006913.php
●イベント,講演会,講習会,研究会など
6月23日,名取市増田公民館(宮城県)で,「saveMLAK報告会2019~社会教育・文化施設の救援・復興支援~」が開催され,名取市図書館・柴崎悦子氏による報告「名取市図書館の震災からの復興と今」等が行われた。
https://savemlak.jp/wiki/saveMLAK:Event/20190623
7月21日,東北大学災害科学国際研究所(仙台市)で,同研究所等の主催による,歴史文化資料保全の大学・共同利用機関ネットワーク事業東北大学拠点シンポジウム「歴史が導く災害科学の新展開Ⅲ―日本の災害文化―」が開催され,電気通信大学・佐藤賢一氏による報告「宮城県南三陸町の津波被災資料救出の経緯と地域史への還元」等が行われた。
https://rekishi.irides.tohoku.ac.jp/event/entry.php?id=15
8月3日,せんだいメディアテーク(仙台市)で,仙台市の主催による市民参加イベント「これからの震災メモリアルを語る:東日本大震災の経験を未来につなぐ拠点とは」が開催された。
https://www.city.sendai.jp/shinsaifukko/chushin/20190803event.html
●刊行物
『カレントアウェアネス-E』370号(2019年6月13日)が,岡崎朋子氏による記事「須賀川市民交流センター内に中央図書館が移転オープン」を掲載した。
E2142
『博物館研究』54巻7号(2019年7月)が,特集「東日本大震災から8年―被災文化財の再生と現状」を掲載した。
https://www.j-muse.or.jp/03books/ms.php
『図書館界』71巻2号(2019年7月)が,東日本大震災に関わる報告等が行われた日本図書館研究会第60回(2018年度)研究大会のシンポジウムについての特集「第60回研究大会シンポジウム」を掲載した。
https://doi.org/10.20628/toshokankai.71.2_83_1
https://doi.org/10.20628/toshokankai.71.2_83_2
https://doi.org/10.20628/toshokankai.71.2_92
https://doi.org/10.20628/toshokankai.71.2_97
https://doi.org/10.20628/toshokankai.71.2_100
https://doi.org/10.20628/toshokankai.71.2_104
8月5日,大槌町(岩手県)が,『岩手県大槌町東日本大震災記録誌 生きる証』を同町ウェブサイトに掲載した。
https://www.town.otsuchi.iwate.jp/gyosei/docs/433179.html
●被災地を支援する活動
公益社団法人全国学校図書館協議会が,第65回青少年読書感想文全国コンクール課題図書出版社とともに,東日本大震災被災地への支援の一環として岩手県・宮城県・福島県から同課題図書の寄贈を希望する学校を募集し,6月12日に寄贈先を発表した。
http://www.j-sla.or.jp/news/sn/kadaitosyo-kizou.html
7月14日,一般社団法人三陸アーカイブ減災センターが,陸前高田市(岩手県)から委託を受けて実施している震災拾得物(思い出の品)返却事業において,震災前に主に陸前高田市内で撮影された写真の提供を呼び掛けた。
https://www.facebook.com/takata.omoide/posts/3428371570521873
http://www.shinsai-archive.org/