E056 – DCMS,英国公共図書館サービスの戦略ビジョンを発表

カレントアウェアネス-E

No.10 2003.03.05

 

 E056

DCMS,英国公共図書館サービスの戦略ビジョンを発表

 

 英国の文化・メディア・スポーツ省(DCMS)は,2月10日,今後10年を対象とした公共図書館サービスの戦略ビジョン「将来への枠組み(Framework forthe Future: Libraries, Learning and Information in the Next Decade)」を発表した。同ビジョンは,21世紀の公共図書館サービスの中核的な使命として,(1)読書と学習の促進,(2)市民へのコンピュータ・リテラシー教育や電子情報サービスの提供,(3)コミュニティにおける社会的包含(social inclusion)の推進,の3つを掲げ,国・地方の双方がこの使命を共有し,公共図書館政策をこの3分野に重点化することで,サービス水準のさらなる向上を図ることを目的としている。

 公共図書館サービスの強みは,地方自治体が各地域のニーズに応じたサービスを展開しているところにあるが,一方でこれが一体的な公共図書館政策を難しくしている側面もある。DCMSは,このビジョンによって,地域の多様なニーズを尊重しつつも,すべての図書館がベストプラクティス(最良の実践例)から学ぶことができる全国プログラムを推進していくとしている。

 英国図書館・情報専門家協会(CILIP)は,このビジョンを評価する一方で,その実現に必要な財源とパフォーマンス評価を含む図書館の管理運営手法への言及がないことを問題点として指摘している。

Ref:
http://www.culture.gov.uk/heritage/pl_framework.html
http://www.resource.gov.uk/news/press_article.asp?articleid=496
http://www.cilip.org.uk/news/2003/110203.html