E049 – 雑誌購読代理店のサービス停止に広がる波紋(米国)

カレントアウェアネス-E

No.9 2003.02.19

 

 E049

雑誌購読代理店のサービス停止に広がる波紋(米国)

 

 米国大手の雑誌購読代理店であるRoweCom社(注)が,財政危機から購読代理サービスを2002年12月20日に突然停止し,米国の図書館界に波紋が広がっている。このサービス停止により,同社を通して雑誌の購入を行っていた図書館は,既払購読料の回収や受入継続などの問題に直面している。いくつかの出版社はこうした図書館のために購読期間の延長を申し出ているが,RoweCom社が契約を履行していない購読金は3千3百万から8千万ドルとも言われており,図書館,出版社双方に大きな影響がでることは必至である。12月27日には,こうした状況の解決策を探るために,図書館と出版社の代表者からなる臨時の債権者委員会が結成された。

 2003年1月25日には,EBSCO社がRoweCom社の買収に同意したと発表している。また,RoweCom社は,1月27日に破産申請を行うとともに,親会社であるdivine社を詐欺で告訴した。この事件は「図書館界のエンロン事件」とも呼ばれており,今後の展開が注目される。

(注)Faxon社を1999年に買収したRoweCom社は,2001年11月にdivine社に買収され,同社の完全子会社となっていた。

Ref:
http://www.infotoday.com/it/feb03/hane1.htm
http://www.infotoday.com/newsbreaks/nb030203-1.htm