E050 – 消滅の危殆に瀕するフランス図書館高等評議会

カレントアウェアネス-E

No.9 2003.02.19

 

 E050

消滅の危殆に瀕するフランス図書館高等評議会

 

 フランス図書館高等評議会(CSB)が消滅の危殆に瀕している。評議会の議長は3年前から空席のままで,12月末には事務総長が辞職を表明した。

 1989年に設置されたCSBは国民教育省等から選任された委員等で構成される独立機関で,図書館および文献提供網に係る意見や勧告を具申する役割を担っている。設置を促したのは,同年に発表された有名なミケル・レポート(フランスの大学図書館が外国と比較して大幅に遅れている現状を報告,CA613参照)によってもたらされた衝撃であった。

 これまで関係省庁は新議長の任命を何度も約束しながら空手形に終始してきた。事態を深刻に受けとめた大学図書館長協会等の関連団体は,CSBが消滅するとしたら,それは政府の無関心あるいは図書館の役割を政策上高めようとするCSBに対する敵がい心によるものと政府を非難している。大都市図書館長協会も文化通信省および国民教育省に向けて公開書簡を送るなど,関連団体は,図書館全体を政策的見地から討議する貴重な機関CSBを守ろうと準備を始めた。

Ref:
Santantonios, L. La mort du CSB est-elle programmee? Livres Hebdo.(494), 2002, 58-59.
http://www.enssib.fr/autres-sites/csb