英国著作権局(UK-IPO)は2008年7月18日、欧州委員会(EC)が2008年7月16日に発表した、実演家と実演記録の権利保護期間を実演から95年に延長(これまでは50年)するよう欧州議会・欧州理事会に求める勧告についての意見募集を開始していました。著作権保護期間の延長に反対を表明するガワーズ・レビュー(E582参照)を背景として、「著作権は独占をもたらすものであり、その延長を正当化する明確な環境要因が必要である。それゆえ、延長が作品にどのような影響をもたらすのか、どのような利益をもたらすのか、を理解して、このECの勧告を検討する必要があろう。人々がどのように考えるかも聞きたい。」という理由からです。これに応えて、英国の3国立図書館や英国公文書館、SCONUL、CILIP等による文書館・図書館著作権同盟(LACA)が、2008年7月31日付けで著作権保護期間の延長に反対する文書を提出しています。
LACA’s response to UK-IPO’s informal consultation, July 2008
http://www.cilip.org.uk/NR/rdonlyres/F8081540-C95E-46A0-A2FD-0A27243FDAE0/0/Soundrecords_termextension_UKIPO31jul08FINAL.pdf
UK-IPO response to the European Commission’s proposal to extend the term of copyright protection
http://nds.coi.gov.uk/Content/Detail.asp?ReleaseID=374549&NewsAreaID=2
EU Draft Directive on Term of Copyright for Sound Recordings – CILIP
http://www.cilip.org.uk/NR/exeres/879E7B08-B4E4-4934-AC85-D802E2C6E5EB
参考:
欧州委員会、実演家と実演記録の権利保護期間の延長勧告とディスカッションペーパー『知識社会における著作権に関する政策提案書』を採択
http://current.ndl.go.jp/node/8339
E582 – 権利者と利用者のバランスをどう取るか?:知的財産権に関するレビュー(英国)
http://current.ndl.go.jp/e582