欧州保存・アクセス委員会、14年間の活動に終止符

欧州各国の図書館・文書館等、資料の保存と利用に関係する各機関の協力活動の支援と促進を目的に、1994年3月に設立された非営利組織・欧州保存・アクセス委員会(ECPA)が、2008年7月をもって活動を終了することになりました。ECPAによると、設立母体のオランダ王立芸術科学院の組織変更に伴い、別の組織基盤に移って活動を続けるか、活動を終了するかの二者択一を迫られ、ECPAの理事会は、「過去10年の変化を考慮すると、新しい活動環境にはそのための新しいネットワークが必要であり、そのためにはECPAをリストラすることが最善である」と判断したとのことです。

ECPAはこれまで、マイクロ化、脱酸処理、写真の収集、デジタル保存、視聴覚資料の収集など、多くの領域で活動を続けてきましたが、E769で紹介した、TAPE(Training for Audiovisual Preservation in Europe:欧州における視聴覚資料保存のための研修)プロジェクトの成果である「オープンリールテープデジタル化のための手引き」が、その最後の成果物となりました。

ECPA, European Commission on Preservation and Access: office closed july 2008
http://www.knaw.nl/ecpa/farewell.html

European Commission on Preservation and Access
http://www.knaw.nl/ecpa/

参考:
E769 – オープンリールテープデジタル化のための手引き
http://current.ndl.go.jp/e769

CA1348 – ヨーロッパ保存・アクセス委員会創立から5年の活動報告 / 村本聡子
http://current.ndl.go.jp/ca1348

CA1087 – 電子情報の保存 / 中島薫
http://current.ndl.go.jp/ca1087