ALAとARL、「米国保護法」関連の法制化について書簡を送付

米国連邦議会は2007年8月5日、1978年に制定された外国諜報監視法(FISA)を改正し、令状なしで外国に居住する外国人の情報活動を電子的な手法で監視できるようにする法案を可決し、「米国保護法(Protect America Act of 2007)」として法制化しました。ただしこの法律は180日間の時限立法であり、大統領府では“Our Work is Not Done”と恒久化の意思を表明しています。

この法案に対し、外国に居住するかもしれない米国市民の権利を「回復する」ことを目的として、外国に居住する米国市民に対し令状なしで監視すること、単に監視対象の外国人が中にいるかもしれないという理由だけで国内の機関を令状なしで監視することなどを明確に禁じる法案“Responsible Electronic Surveillance That is Overseen, Reviewed, and Effective(RESTORE)Act of 2007”(H.R. 3773)が提出され、下院で議論されています。

このような中、米国図書館協会(ALA)と北米研究図書館協会(ARL)が連名で、図書館は「自由への扉」であり、外国に居住する米国市民・外国人にもサービスを提供することは図書館の不可欠な使命であるとして、米国市民であるか否か、国内に居住するか否かを問わず、図書館に対する令状なしの監視活動を行わないよう求める書簡を、上院の情報委員会、下院の司法委員会のメンバーに送っています。

ALA, ARL Respond to Recent Legislation on Warrantless Surveillance – District Dispatch
http://blogs.ala.org/districtdispatch.php?title=ala_arl_respond_to_recent_legislation_on

Fact Sheet: The Protect America Act of 2007 – The White House
http://www.whitehouse.gov/news/releases/2007/08/20070806-5.html

参考:
CA1547 (No.283) – 米国愛国者法の制定と図書館の対処 / 中川かおり
http://www.dap.ndl.go.jp/ca/modules/ca/item.php?itemid=979