国際STM出版社協会、米国出版社協会専門・学術出版部会(AAP/PSP)、学会・専門協会出版協会(ALPSP)の3団体が5月8日、連名で、学術雑誌掲載論文の利用と著作権に関する白書(意見書)を発表しました。
・現在の学術出版が基本としている著作権の譲渡、独占出版権の付与によって、出版社は著者に代わり著作権に関するさまざまな事項(許諾依頼、不正利用への対応など)を代行している。
・出版社は出版による対価を得ることで、ピアレビュー、編集作業等ができ、研究の質を保障している。
・多くの学術出版社は現段階でも著者の学術的利用(掲載論文の異版を機関リポジトリに収録することも含む)を認めている。
・研究助成を行っている政府機関が研究成果のオープンアクセス化を義務付けるよう運動しているが、これは出版社の活動に大いに影響を与えるものである。出版社のコンテンツへのリンク等で十分ではないか。(そのようなリポジトリを作ることは)税金の無駄遣い、学術文献の所在の混乱を招く可能性がある。
などとして、
・出版社は今後も学術目的での利用に便宜をはかるべきである。
・公的助成研究のオープンアクセス化は出版社の意見を聞いた上で進められるべきである。
としています。
STM, AAP/PSP, ALPSP issue White Paper on academic use of journal content
http://www.stm-assoc.org/home
/stm-aappsp-alpsp-issue-white-paper-on-academic-use-of-journal-content.html
May 10, 2007付けResourceShelfの記事
http://www.resourceshelf.com/2007/05/10
/stm-aappsp-alpsp-issue-white-paper-on-academic-use-of-journal-content/
参考:
E623 (No.103) – オープンアクセス運動に対し出版界が立場を表明(欧州)
http://www.dap.ndl.go.jp/ca/modules/cae/item.php?itemid=640