2022年10月26日、米国科学振興協会(AAAS)が、オープンアクセス(OA)出版の傾向・コストが研究活動にもたらす影響に関する調査結果を紹介する記事を掲載しました。
記事によると、2022年3月から9月にかけて調査が行われ、米国の研究者から422件の回答が寄せられました。調査結果は10月25日に開催された“AAAS Science and Technology Policy Forum”で発表されたとあります。
結果として、回答者の63%が論文処理費用(APC)の支払いを経験していること、経験者の52%が資金の獲得が困難と感じたこと、APCのための助成は所属機関の規模によって差があること、女性は助成金をAPCの支払いに充てる傾向が男性の3倍あることが述べられています。その他、4分の3以上の研究者が、材料・機器や専門能力向上のために使う資金をAPCに流用したと回答したこと等が挙げられています。こういった状況を踏まえ、全ての人にとって適切な方法で学術コミュニケーションを最適化する必要性等が指摘されています。
AAAS Survey: Many Researchers Face Difficulties Paying Open Access Fees(AAAS, 2022/10/26)
https://www.aaas.org/news/aaas-survey-many-researchers-face-difficulties-paying-open-access-fees
Exploring the Hidden Impacts of Open Access Financing Mechanisms [PDF:7ページ]
https://www.aaas.org/sites/default/files/2022-10/OpenAccessSurveyReport_Oct2022_FINAL.pdf
参考:
Science誌の新しいパブリックアクセス方針:2023年から費用なしでオープンアクセス化が可能に(記事紹介)
Posted 2022年10月26日
https://current.ndl.go.jp/node/47061
米国科学振興協会(AAAS)、Science誌及びその姉妹誌においてcOAlition Sの研究助成成果に当たる受理済論文にCC BYまたはCC BY-NDライセンスの付与を容認
Posted 2021年1月18日
https://current.ndl.go.jp/node/43008