米国大統領府科学技術政策局(OSTP)の政策指針による学術出版市場への影響予測(記事紹介)

2022年9月8日、コンサルティング会社Delta Thinkは、8月25日に米国大統領府科学技術政策局(OSTP)の発表した研究成果即時公開を求める政策指針が、学術出版の市場価値にどのような影響を与えるかについて、考察“News & Views: OSTP Memo – Modeling Market Impact”を公開しました。

OSTPのポリシーの対象になる学術論文の割合を市場全体の7.9%と仮定した上で、2026年以降4年間の市場価値の推移をモデル化し、出版料の支払いの有無等により購読料収入や市場価値がどのように変化するか、3つのシナリオを提示しています。さらに、出版社への影響についても3つのシナリオを提示し、各社の出版物の何%がOSTPポリシーの影響を受けるかによって、収益がどの程度減少するか説明しています。

結論部では、著者が世界中に存在する大規模出版社は影響を受ける論文数が少ない可能性があり、特に、既に充実したオープンアクセス(OA)ポートフォリオを持っている場合は小幅な値上げで十分に対応できる可能性があること等を述べています。また、研究者の文献入手方法や論文の質への選好についても言及し、出版社ごとに状況は異なることを説明しています。

NEWS & VIEWS: OSTP MEMO – MODELING MARKET IMPACT(Delta Think, 2022/9/8)
https://deltathink.com/news-views-ostp-memo-modeling-market-impact/

参考:
米国大統領府科学技術政策局(OSTP)、連邦政府から助成を受けた研究の成果の即時公開を求める政策指針を発表
Posted 2022年8月29日
https://current.ndl.go.jp/node/46729