研究データ公開に関する生物医学分野の研究者の姿勢と実態(記事紹介)

2022年6月21日付のNature誌オンライン版で、“Many researchers say they’ll share data — but don’t”と題された記事が公開されました。

記事では、BioMed Central(BMC)が刊行する282ジャーナルで1か月に掲載された生物医学・健康科学の論文3,556件についての、クロアチア・カトリック大学のLivia Puljak氏らによる分析・調査結果が紹介されています。

記事によると、381件の論文ではオンラインのリポジトリに蓄積されたデータへのリンクが含まれ、1,792件の論文ではデータセットを要求に応じて共有することが表明されていました。しかし、後者の内、90%以上の著者がデータ共有の要求に対して無返答であった、または拒否したと述べられています。

研究者からは、拒否する理由として、データ共有のための同意が取れていないこと、プロジェクトから離れてしまったこと、データの紛失等が挙げられたとしています。解決策として、ジャーナルが著者に、どこで共有し、誰が・いつ・どのようにアクセスできるかについて示すよう求め、データ共有に関する文言をより詳細にすること等が挙げられています。

Many researchers say they’ll share data — but don’t(Nature, 2022/6/21)
https://www.nature.com/articles/d41586-022-01692-1

参考:
研究データを公開しているのは誰か? していないのは誰か?(文献紹介)
Posted 2011年7月15日
https://current.ndl.go.jp/node/18703