2022年4月8日、文化財保存修復研究国際センター(ICCROM)が、ユネスコ及びウクライナ・キーウのMaidan Museumと協力して“Endangered Heritage”をウクライナ語に翻訳したと発表しました。ユネスコによって、ウクライナ全土のインターネットアクセスがない、または制限されている地域への約2,000部の配布が支援される予定とあります。
“Endangered Heritage”は、ICCROMとユネスコが2016年に編纂した実用的なハンドブックで、文化財等の緊急避難のための一時保管、安全輸送といった、現場で検証済みのシンプルなワークフローを提供しています。
今回のウクライナ語への翻訳は、ユネスコとICCROMによるウクライナの文化遺産保護支援の一環であり、武力紛争の渦中にあるウクライナのコミュニティや機関に技術支援を提供することを目的としているとあります。
UNESCO and ICCROM join forces with the Maidan Museum of Kyiv to support Ukraine’s museums(ICCROM,2022/4/5)
https://www.iccrom.org/news/unesco-and-iccrom-join-forces-maidan-museum-kyiv-support-ukraine%E2%80%99s-museums
関連:
Maidan Museum
https://www.maidanmuseum.org/en
参考:
『UNESCO・ICCROMによる非常時における文化財の救出と保全の手引き』が刊行され、京都国立博物館のウェブサイトで公開
Posted 2018年3月23日
https://current.ndl.go.jp/node/35711
ロシアによるウクライナへの侵攻に対する、国立図書館・文書館・博物館および関係機関等の声明
Posted 2022年3月1日
https://current.ndl.go.jp/node/45704
ドイツの文化・メディア連邦政府委員会、ウクライナの文化遺産保護のためのネットワークを設立
Posted 2022年4月1日
https://current.ndl.go.jp/node/45907
ポーランドの美術館・博物館ら、ウクライナの文化財の保存を支援する委員会を設置
Posted 2022年3月30日
https://current.ndl.go.jp/node/45893
ウクライナの文化遺産保護のための動き(記事紹介)
Posted 2022年3月10日
https://current.ndl.go.jp/node/45759
E2483 – ロシアによるウクライナ侵攻に関連する図書館・博物館の状況
カレントアウェアネス-E No.433 2022.04.21
https://current.ndl.go.jp/e2483