文化財保存修復研究国際センター(ICCROM)、デジタルコレクションの持続可能性に関する自己評価用のツールを公開

2022年12月9日、文化財保存修復研究国際センター(ICCROM)が、デジタルコレクションの持続可能性に関する自己評価用のツール“The Sustainability Test: A Self-Assessment Tool for Evaluating Digital Sustainability”を公開したと発表しました。

発表によると、データ管理ソリューションプロバイダーAVPと、様々なメディアのアーカイブに取り組むオランダのNetherlands Institute for Sound and Vision(NISV)と協力して作成されました。1人又は少人数のチームによる、デジタルコレクションの長期保存に関する評価を可能とするツールで、長期保存に関するICCROMの能力開発イニシアチブ“Sustaining Digital Heritage(SDH)”の一環であると述べられています。

利害関係者や利用者のニーズを把握する“Adopt a Service Mindset”、デジタルコレクションを効率的に管理・保存する“Right-Size Operations”、利用者のニーズに応える“Deliver Value”、利害関係者や利用者への影響を示す“Demonstrate Impact”の各段階について、解説とワークがまとめられています。

The Sustainability Test: A Self-Assessment Tool for Evaluating Digital Sustainability is now available!(ICCROM, 2022/12/9)
https://www.iccrom.org/news/sustainability-test-self-assessment-tool-evaluating-digital-sustainability-now-available

The Sustainability Test: A Self-Assessment Tool for Evaluating Digital Sustainability(ICCROM)
https://www.iccrom.org/publication/sustainability-test-self-assessment-tool-evaluating-digital-sustainability
https://www.iccrom.org/sites/default/files/publications/2022-12/en_01_sdh_tool_web_iccrom_2022.pdf
※2つ目のリンクはツールの本体[PDF:65ページ]です。

参考:
ユネスコと文化財保存修復研究国際センター(ICCROM)、ウクライナ・キーウのMaidan Museumと協同で文化財救出・保全に関するハンドブック“Endangered Heritage”をウクライナ語に翻訳 2022-04-27
https://current.ndl.go.jp/car/46053

『UNESCO・ICCROMによる非常時における文化財の救出と保全の手引き』が刊行され、京都国立博物館のウェブサイトで公開 2018-03-23
https://current.ndl.go.jp/car/35711

英・デジタル保存連合(DPC)、組織のデジタル保存における成熟度の測定ツール“DPC Rapid Assessment Model”のバージョン2.0を公開 2021-04-08
https://current.ndl.go.jp/car/43759

デジタル保存におけるリスクの定量評価を支援するツールDiAGRAM(記事紹介) 2020-07-06
https://current.ndl.go.jp/car/41431