2022年3月1日、cOAlition Sが、オープンアクセス（OA）出版の方針や契約に関する情報の透明化・明確化を求める書簡を出版社に送付したと発表しました。
発表によると、出版倫理委員会（COPE）の「学術出版における透明性の原則と優良事例」（Principles of Transparency and Best Practice in Scholarly Publishing）に準拠したものです。書簡の中では、出版時のライセンス・費用の他、希望する二次利用条件によっては他のジャーナルへ回付されるかを、出版社のウェブサイト、著者向けの文書、投稿用システム等において、論文を投稿する時点で著者に知らせることを求めています。
また、OA出版のライセンス・契約・料金、査読による却下以外の理由による他のジャーナルへの回付に関する出版者向けの質問用紙も送付しており、その回答はcOAlition Sに参加する助成機関が参考にできるよう公開する予定であるとしています。
cOAlition Sの同書簡に対し、3月1日に、北米研究図書館協会（ARL）と大学・研究図書館協会の国際的な連合体IARLAが支持を表明しています。
Enabling Open Access through clarity and transparency: a request to publishers（cOAlition S, 2022/3/1）
https://www.coalition-s.org/enabling-open-access-through-clarity-and-transparency-a-request-to-publishers/
https://www.coalition-s.org/wp-content/uploads/2022/02/Letter_to_publishers_web.pdf
※2つ目のリンクは書簡本体[PDF：1ページ]です。
ARL Supports cOAlitionS Call for Publisher Transparency and Reduced Author Burden for Immediate Open Access（ARL, 2022/3/1）
https://www.arl.org/news/arl-supports-coalitions-call-for-publisher-transparency-and-reduced-author-burden-for-immediate-open-access/
IARLA endorses cOAlition S call for greater transparency from publishers（IARLA, 2022/3/1）
https://iarla.org/2022/03/iarla-endorses-coalition-s-request-for-greater-transparency-from-publishers/
参考：
cOAlition S、学術誌のサービス・価格の可視性を高めるためのウェブサービス“Journal Comparison Service”の構築開始を発表：英国のCottage Labs社が落札
Posted 2021年12月17日
https://current.ndl.go.jp/node/45347
cOAlition S、オープンアクセス（OA）出版費用を設定する際に出版者が遵守すべき「Plan Sに基づく価格透明性のフレームワーク」を公開：2022年7月1日に発効
Posted 2020年5月20日
https://current.ndl.go.jp/node/40988
E2018 – 「学術出版における透明性の原則と優良事例」第3版が公開
カレントアウェアネス-E No.345 2018.04.19
https://current.ndl.go.jp/e2018
