Eurodoc、欧州におけるオープンサイエンスに関する認識等に関する調査報告を公開

2021年12月23日、European Council of Doctoral Candidates and Junior Researchers(Eurodoc)が、欧州におけるオープンサイエンスに関する認識等に関する調査報告を、12月22日に公開したと発表しました。

同調査は、オープンサイエンスや関連事項に対する欧州における認識や態度について、新たな知見を得ることや、経済指標・投資の状況・学問分野・キャリアステージ間の差異を検証することを目的に、2020年5月26日から8月15日にかけて実施されました。同報告には、1,187件の回答を基にした分析結果がまとめられています。

発表の中では、オープンサイエンスに関する意識やポジティブな態度は、若手研究者を中心に高い割合でみられるものの、キャリアステージ間での差は存在し、一般的にキャリアステージが上がるにつれて増加すると指摘しています。また、地域で見ると、西欧が最もオープンサイエンスに関する意識・ポジティブな態度が見られ、北欧・中欧・南欧、東欧と続くとしています。

加えて、欧州のほとんどの地域の研究者は、一流雑誌での学術成果発表を目指す「競争的レベル(Competitive level)」から、オープン・即時・柔軟な出版インフラ・学術コミュニケーション・研究文化を持つ「連携的レベル(Collaborative level)」への移行ステージの様々な段階にあり、東欧の研究者は「競争的レベル」への移行の段階が多いこと等が述べられています。

Results of Eurodoc survey on Open Science and scholarly publishing focused on early career researchers(Eurodoc, 2021/12/23)
http://www.eurodoc.net/news/2021/press-release-results-of-eurodoc-survey-on-open-science-and-scholarly-publishing-focused

Perspectives on Open Science and Scholarly Publishing: a Survey Study Focusing on Early Career Researchers in Europe
https://doi.org/10.12688/f1000research.74831.1

参考:
欧州大学協会(EUA)、欧州の大学の学術評価におけるオープンサイエンスの位置づけに関するレポートを公開
Posted 2021年12月21日
https://current.ndl.go.jp/node/45364

欧州大学協会(EUA)、欧州の大学におけるオープンサイエンスについての調査報告書を公開
Posted 2021年7月7日
https://current.ndl.go.jp/node/44361

E2363 – 欧州のオープンサイエンス・インフラストラクチャーの現状
カレントアウェアネス-E No.409 2021.03.04
https://current.ndl.go.jp/e2363