2021年10月19日、フランスのロレーヌ大学が、同大学によるIEEEおよびSpringer Nature社との学術誌購読契約キャンセルに関して、コミュニティ内で実施したアンケートの結果を掲載しました。
同大学は、価格高騰を受け、2018年にSpringer Nature社、2019年にIEEEとの学術誌のパッケージ契約の更新を行わないことを決定しました。同アンケートは、2020年9月14日から10月19日にかけて、研究活動における契約キャンセルの影響と、同大学の対応についての研究者からの意見を知ることを目的に行われました。寄せられた回答の内の393件をもとに、結果がまとめられています。
70%が契約キャンセルによる影響を全く受けていない、あるいは軽度な影響のみであったと回答したと述べられています。代替手段としては、HALやarXivをはじめとしたオープンアクセスリポジトリやSci-Hubが多く用いられていると指摘しています。また、73%は同大学の学術誌に関する契約やオープンサイエンスへの取組を支持すると回答したとあります。
Résultats de l’enquête sur les désabonnements IEEE et Springer auprès de la communauté scientifique de l’Université de Lorraine(Université de Lorraine, 2021/10/19)
https://factuel.univ-lorraine.fr/node/18084
Résultats de l’enquête sur les désabonnements IEEE et Springer(Archive ouverte de l’Université de Lorraine)
https://hal.univ-lorraine.fr/hal-03384299v1
参考:
E2420 – ビッグディール契約キャンセルの影響調査(米国)
カレントアウェアネス-E No.419 2021.09.02
https://current.ndl.go.jp/e2420
フランスの研究機関が共同でリポジトリ運営
Posted 2005年12月2日
https://current.ndl.go.jp/node/3227