2021年9月2日、cOAlition Sが、学術書のオープンアクセス(OA)化に関する推奨事項を発表しました。
「学術書」には、単行書、本の章、本文批評等を含み、特に人文・社会科学分野の研究者にとって重要な出版方法であると述べられています。Plan Sの実施ガイドラインの中では、単行書および本の章に適用されるPlan Sの原則および関連するガイドラインを2021年末までに発表するとしていました。
発表によると、cOAlition Sは、学術書の出版は雑誌の出版と異なるものであり、可能な限り早期の学術書の完全OA化実現のために、単一の方針を策定するのではなく、全ての参加機関がそれぞれの権限で採用することを目指す、推奨事項を定めたと述べています。
推奨事項の主な内容は以下の通りです。
・cOAlition S参加機関からの助成を直接受けた研究を基にする学術書は、出版時に全てOA化する。
・著者または著者の所属機関が、学術書のOA化や二次利用許諾のための権利を保持する。
・学術書は、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスのもと出版する。
・学術書のエンバーゴ期間は可能な限り短くし、12か月を超えないようにする。
・cOAlition Sに参加する助成機関は、学術書のOA化・OA出版のビジネスモデルを支援する。
cOAlition S statement on Open Access for academic books(cOAlition S, 2021/9/2)
https://www.coalition-s.org/coalition-s-statement-on-open-access-for-academic-books/
参考:
CA1990 – 動向レビュー:プランS改訂版発表後の展開―転換契約等と出版社との契約への影響 / 船守美穂
カレントアウェアネス No.346 2020年12月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1990
英・UKRI、新オープンアクセス(OA)方針を公開:対象を単行書等に拡大
Posted 2021年8月10日
https://current.ndl.go.jp/node/44564