英国において“Libraries Improvement Fund”の申請受付が2021年7月26日から開始されます。
コロナ禍により2020年3月開始予定が保留となっていた、イングランド全域の既存の文化基盤の改善と新規の文化基盤の提供を支援することを目的とする文化投資基金(Cultural Investment Fund)が設立されたことによるもので、文化開発基金(The Cultural Development Fund)・博物館不動産開発基金(The Museums Estate and Development Fund) ・図書館改善基金(Libraries Improvement Fund)の3種類の基金があります。
基準は、デジタル・文化・メディア・スポーツ省(DCMS)とイングランド芸術評議会(ACE)が定めており、助成金はDCMSから拠出され、ACEが管理・授与・検査を行います。
図書館改善基金(Libraries Improvement Fund)の2021年・2022年度の助成総額は500万ポンドで、人々の図書館利用の変化に対応するための建物やテクノロジーの更新のためのさまざまな取組に利用可能であり、
・より柔軟でより商業的なスペースの開発
・コミュニティ内のデジタルアクセスの増加と改善
・図書館とそのコミュニティをつなぐ
・変革の可能性の向上
・図書館利用の増加
・図書館の持続可能性の向上
のために活用されることで、
・図書館空間を利用するコミュニティのグループの増加
・コレクションやサービスを利用する利用者数の増加
・メイカースペースを利用する利用者の増加
・商業収入の増加
・利用者が利用できるPCやデバイスの数の増加
・旧式のOSを利用している図書館の減少
・利用可能時間の延長
・共同設置によるサービスの増加
といった成果が期待されています。
イングランドの地方自治体が図書館サ―ビスの代理として申請可能で、7月5日までに関心表明書を提出して正式に申請するよう招待された場合、7月26日から申請できます。受付期間は9月23日までで選考結果は2020年2月に発表されます。
Libraries Improvement Fund(ACE)
https://www.artscouncil.org.uk/funding/libraries-improvement-fund#section-1
Building cultural infrastructure across England(ACE,2021/3/24)
https://www.artscouncil.org.uk/blog/building-cultural-infrastructure-across-england
参考:
不利な立場・状況にある住民や地域に利益をもたらす革新的な図書館サービスの開発を支援するプログラムの助成を受けた公共図書館の現在(英国)(記事紹介)
Posted 2017年10月16日
https://current.ndl.go.jp/node/34834
CA2000 – 動向レビュー:米国のIMLSが戦略的5か年計画で描くこれからの図書館像-地域変革における触発機能- / 豊田恭子
カレントアウェアネス No.348 2021年06月20日
https://current.ndl.go.jp/ca2000