ラテンアメリカの単行書の持続可能なオープンアクセスモデルの導入に向けたパイロットプロジェクト、第2フェーズを開始:他の大学出版局への拡大を意図

2021年6月9日、JSTORが、ラテンアメリカの単行書のオープンアクセス(OA)化を促すパイロットプロジェクトの第2フェーズを開始すると発表しました。同モデルを他の大学出版局へと拡大するための機会を探るものです。

同プロジェクトは、北米の研究図書館センター(CRL)が所管するLatin American Research Resources Project (LARRP) が主導し、JSTOR・ラテンアメリカ社会科学協議会(CLACSO)および書店のGarcía Cambeiro社が連携して取り組んでいるものです。

図書館界の支援を受けて、JSTORからアクセス可能なラテンアメリカの単行書を拡充することを目的としており、資金は、LARRPに加盟する、ニューヨーク大学図書館・コロンビア大学図書館・ニューヨーク公共図書館・ハーバード大学図書館・プリンストン大学図書館・テキサス大学オースティン校図書館・ピッツバーグ大学図書館・ミシガン大学図書館・カリフォルニア大学ロサンゼルス校図書館・イリノイ大学図書館が拠出しています。

現在、アルゼンチンのCLACSOが2018年から2020年にかけて出版した、人文社会科学の35分野の282タイトルが、JSTORの電子書籍サービス“Books at JSTOR”からOAとして公開されています。2021年4月までに、61万5,000を超すチャプタービューとダウンロードを記録しており、216の国・地域の4,000を超す機関で利用されているとしています。

Open Access pilot for Latin American monographs expands(JSTOR,2021/6/9)
https://about.jstor.org/news/open-access-pilot-for-latin-american-monographs-expands/

参考:
ラテンアメリカの単行書の持続可能なオープンアクセスモデルの導入に向けてのパイロットプロジェクト
Posted 2019年10月25日
https://current.ndl.go.jp/node/39349

CA1910 – ラテンアメリカのオープンアクセスとLa Referencia / 水野翔彦
カレントアウェアネス No.334 2017年12月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1910

CA1907 – 動向レビュー:欧州における単行書のオープンアクセス / 天野絵里子
カレントアウェアネス No.333 2017年9月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1907