Clarivate Analytics社、中南米・カリブ海地域の34か国における研究活動に関する調査結果を発表

2021年9月30日、Clarivate Analytics社が、中南米・カリブ海地域の34か国における研究活動に関する調査結果のレポート“Global Research Report Latin America: South and Central America, Mexico and the Caribbean”の公開を発表しました。

同社の、計量書誌学手法の開発等に従事する同社の事業部門である科学情報研究所(Institute for Scientific Information:ISI)によるレポートです。1981年以降の研究出版物の分析や、最近の活動の詳細な分析、コンテンツにおける言語の影響の検証を行っています。

主な結果として、以下をはじめとした内容が挙げられています。

・Web of Science(WoS)上の研究論文の数が、他の地域と比較して急激に伸びている。そのうちの4分の3が南アメリカの物である。

・SciELO Citation IndexとWoS上の研究論文の件数から、同地域での共同研究が依然として少ないことがわかる。

・2016年から2020年の間で、34か国の内、5か国では2万5,000件以上、12か国では1,000件から1万件、17か国では200件以下の研究論文が発表されている。

・各国内の研究および国際的な共同研究により、ブラジル等では研究論文の分野の多様性が増している。

・オープンアクセス(OA)が出版形式として拡大を見せているが、OA論文の引用率は他の地域と比べると低い。

報告書の全文は、氏名・メールアドレス等の入力が必要ですが、Clarivate Analytics社のウェブサイトから無料でダウンロードすることができます。

The expanding research landscape of Latin America(Clarivate, 2021/9/30)
https://clarivate.com/blog/the-expanding-research-landscape-of-latin-america/

参考:
ブラジルのSciELOの15年のオープンアクセスの取組みをまとめた書籍が刊行
Posted 2015年1月29日
http://current.ndl.go.jp/node/27884

ラテンアメリカ地域におけるビッグディール契約の調査(記事紹介)
Posted 2020年9月1日
https://current.ndl.go.jp/node/41877

SciELO、プレプリントサーバー“SciELO Preprints”の運用を開始:特に新型コロナウイルス感染症に関する研究成果物の共有を奨励
Posted 2020年4月8日
https://current.ndl.go.jp/node/40733

CA1910 – ラテンアメリカのオープンアクセスとLa Referencia / 水野翔彦
カレントアウェアネス No.334 2017年12月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1910