2021年5月14日付で、Elsevier社が刊行する査読誌“The Journal of Academic Librarianship”の第47巻第5号(2021年9月)に掲載予定の論文として、“Less money, less children, and less prestige: Differences between male and female academic librarians”が公開されています。
カナダの学術図書館員に関する協会“Canadian Association of Professional Academic Librarians(CAPAL)”が、2018年にカナダの学術図書館員を対象に実施した調査のデータを用いた、学術図書館員における性別と給与・扶養家族・職位の関係についての分析の結果がまとめられています。同調査の回答件数は920件です。
論文では、給与について、女性の方が男性よりも年間1万カナダドルほど平均額が少ないと述べられています。扶養家族については、男性は約50%、女性は約40%が扶養する子どもがいると回答しています。加えて、扶養家族の有無について、男性は給与が多いほど、あるいは、職位が高いほど扶養家族がいると回答する割合が高くなる傾向が見られる一方、女性は給与・職位毎の回答割合の変化が小さいこと等が挙げられています。
なお、同論文では、男性・女性以外の性別や人種については、回答数の関係から分析ができていないため、今後、より大きなサンプル数を対象にさらなる調査・分析を行う余地があることを指摘しています。
Eva, Nicole., Lê, Mê-Linh., Sheriff, John. Less money, less children, and less prestige: Differences between male and female academic librarians. The Journal of Academic Librarianship. 2021, 47(5), 102392.
https://doi.org/10.1016/j.acalib.2021.102392
参考:
北米の研究図書館における男女の給与格差の経時的変化(文献紹介)
Posted 2020年5月15日
https://current.ndl.go.jp/node/40961