2020年11月14日付で、Elsevier社が刊行する査読誌“The Journal of Academic Librarianship”の第47巻第1号(2021年1月)に掲載予定の論文として、“A content analysis of job advertisements for digital humanities-related positions in academic libraries”が公開されています。
同論文は、デジタル人文学分野の専門家に求められる能力の特定のため、同分野に関する求人広告上に記載された資格等の内容を評価する目的で取り組まれました。調査のために、米国図書館協会(ALA)等が運営する図書館・図書館情報学関係の求人・求職サイト“ALA JobLIST”を利用しています。調査では、“ALA JobLIST”に掲載された2006年から2018年までの72件の求人広告について、役職名・機関の種類と所在地・要求される学歴・経験・知識と技能・職務内容等をテキスト分析によって検討しています。
同論文では、求人広告の件数が2012年から2013年及び2014年から2017年に大きく増加していること、「デジタル人文学図書館員」または「デジタルスカラシップ図書館員」という役職名が全体の半数近くを占めていること、多くの求人広告は修士号以上の学歴を要求していること、デジタルプロジェクトの一員として従事する職務内容が多数を占めることなど、調査及び分析の結果が示されています。
Zhang, Yin; Su, Fangli; Hubschman, Brenna. A content analysis of job advertisements for digital humanities-related positions in academic libraries. The Journal of Academic Librarianship. 2021, 47(1), 102275.
https://doi.org/10.1016/j.acalib.2020.102275
参考:
E1409 – 特集“図書館におけるデジタル人文学”<文献紹介>
カレントアウェアネス-E No.233 2013.03.07
https://current.ndl.go.jp/e1409
デジタル人文学に携わる図書館員の評価のためのガイドラインはいかにあるべきか?(記事紹介)
Posted 2012年12月28日
https://current.ndl.go.jp/node/22631
図書館におけるデジタル人文学に関するプロジェクトでの主題専門家(subject specialist)の役割(文献紹介)
Posted 2015年4月16日
https://current.ndl.go.jp/node/28330
ALA JobLISTが2016年の利用者が選ぶ求人・求職サイトトップ25に選ばれる
Posted 2016年3月15日
https://current.ndl.go.jp/node/31019