米・アレン人工知能研究所(AI2)、Semantic Readerのベータ版を公開

米国のアレン人工知能研究所(Allen Institute for AI:AI2)による学術文献検索サービス“Semantic Scholar”のTwitterアカウントでの2021年5月12日付け投稿において、“Semantic Scholar”に関連するサービスとして、”Semantic Reader”のベータ版公開が発表されています。

科学論文を読むときの課題として、用語や数学記号の定義、引用論文の詳細を探すために、頻繁にページを行き来しなければならないということが挙げられます。Semantic Readerは、関連のない情報を暗く表示させ、論文中で定義や引用論文の詳細を提供することによって、この課題の解決を図ります。

Semantic Readerは、AI2のSemantic Scholarのチーム、米国のカリフォルニア大学バークレー校、米国のワシントン大学による、科学論文を読むためのインターフェース“ScholarPhi”のプロジェクトから開発されたものです。ScholarPhiはアルフレッド・P・スローン財団より一部助成されています。ScholarPhiのユーザビリティ調査では、ScholarPhiを使用すると、PDFリーダーよりも、論文の深い理解が必要な質問への回答までの時間が短くなることが判明しました。

現在、Semantic Readerのベータ版は、プレプリントサーバーarXivに投稿されたいくつかの論文に対応しています。今後は、対応する論文の拡大と、機能の追加を予定しています。

@SemanticScholar(Twitter, 2021/5/12)
https://twitter.com/SemanticScholar/status/1392290986777219074

Introducing Semantic Reader(Semantic Scholar)
https://www.semanticscholar.org/product/semantic-reader

関連:
ScholarPhi: A Novel Interface for Reading Scientific Papers(UC Berkeley School of Information, 2021/5/10)
https://www.ischool.berkeley.edu/news/2021/scholarphi-novel-interface-reading-scientific-papers

参考:
米・アレン人工知能研究所(AI2)の学術文献検索サービス“Semantic Scholar”、論文の内容を人工知能で自動的に一文に要約して表示するTLDR機能のベータ版提供を開始
Posted 2020年12月8日
https://current.ndl.go.jp/node/42709