英国物理学会出版局(IOP Publishing)、著者名等の表記変更に関する新方針を発表:著者の求めに応じて発表済文献の表記を更新可能に

2021年4月21日、英国物理学会出版局(IOP Publishing)は、著者名等の表記変更に関する新方針について発表しています。オープン・協力的・包摂的な研究環境の実現に向けた同社の取組の一環として、研究コミュニティとの協議を経て策定されたものです。

新方針では、著者の求めに応じて、発表済文献における著者名、代名詞、著者の写真、電子メールのアドレス(アドレスが著者名を反映している場合)の変更が可能となります。雑誌論文、プロシーディング、電子書籍を含め、同社が出版した全コンテンツに適用されます。

また、プライバシーに関する著者の権利を尊重するため、著者名の変更を公示(public notice)なしに行うことが可能となっています。さらに、変更の申請に当たり、申請理由を示す必要や、氏名の変更を証明する書類を提出する必要もないと述べています。

IOP Publishing’s new name-change policy supports greater inclusion in publishing(IOP Publishing, 2021/4/21)
https://ioppublishing.org/news/iop-publishings-new-name-change-policy-supports-greater-inclusion-in-publishing/

Name change policy(IOP Publishing)
https://publishingsupport.iopscience.iop.org/questions/name-change-policy/

参考:
米国情報標準化機構(NISO)、学術出版物のレコードに含まれる著者名の変更に関する推奨事項を策定へ:ワーキンググループの設立を発表
Posted 2021年4月7日
https://current.ndl.go.jp/node/43755

トランスジェンダーの研究者の著者名表記変更に関する5つの基本原則(記事紹介)
Posted 2021年1月26日
https://current.ndl.go.jp/node/43086

米国化学会(ACS)、著者の名称表記に関する新方針を発表:著者の求めに応じて発表済文献の表記を更新可能に
Posted 2020年9月16日
https://current.ndl.go.jp/node/42017

Elsevier社、著者名表記の変更に関する方針を発表:トランスジェンダーの研究者の著者名表記変更に関する出版倫理委員会(COPE)の基本原則に準拠
Posted 2021年3月31日
https://current.ndl.go.jp/node/43704