2021年4月21日、オープンアクセス(OA)誌“eLife”は、eLifeの投稿プロセスに医学分野のプレプリントサーバーmedRxivへの投稿を統合することを発表しました。ライフサイエンスや医学コミュニティでのプレプリントへの支持の高まり、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックを背景としたCOVID-19関連のプレプリント増加を受けたものです。
2016、2017年にbioRxivと行った同様の取組に続くものであり、eJournalPress及びmedRxivのサポートにより実現されました。論文著者は、medRxivへのプレプリント投稿後に同時にeLifeに投稿することが可能となり、また、eLifeの投稿システムからmedRxivに直接投稿することも可能となります。medRxivとの間で、このような双方向の統合を投稿プロセスに組み込んだのはeLifeが初めてであると述べています。
著者がeLifeに先に投稿する医学分野の論文については、編集者が査読プロセスに回した直後の完全な投稿プロセス(full submission process)において、eLifeがプレプリントをmedRxivに直接投稿する計画であるとしています。
eLifeは、2021年7月以降に適用予定の新しい査読・出版方針として、プレプリントとして投稿された原稿のみeLifeの査読対象とすることを発表しています。今回の発表によれば、2021年7月までは、著者がeLifeへの投稿時に標準プロセス(プレプリントとしての投稿)からのオプトアウトを選択し、その理由を説明する機会をオプションとして設けるとしています。そのことを通じ著者の懸念を理解し、将来的に軽減できるよう図ると述べています。
eLife Latest: Authors can now submit a manuscript to the journal and medRxiv at the same time(eLife, 2021/4/21)
https://elifesciences.org/inside-elife/037ef19d/elife-latest-authors-can-now-submit-a-manuscript-to-the-journal-and-medrxiv-at-the-same-time
参考:
オープンアクセス誌eLife、2021年7月以降に適用予定の新しい査読・出版方針を発表:原則としてプレプリントとして公開済の原稿のみ査読対象に
Posted 2020年12月7日
https://current.ndl.go.jp/node/42703
PLOSが生命医学分野のプレプリントサーバbioRxivとの連携を発表 PLOSの雑誌に投稿された論文は自動的にbioRxivへ登録されることに
Posted 2018年2月7日
https://current.ndl.go.jp/node/35443
医学分野のプレプリントサービス“medRxiv”の立ち上げが発表される
Posted 2019年6月14日
https://current.ndl.go.jp/node/38352