米・ランド研究所、「真実の腐敗」に対抗するためのメディアリテラシー標準の作成に関する研究レポートを公開

2021年1月19日付で、米国に拠点を置き公共政策課題の解決策開発等に取り組む非営利の研究組織・ランド研究所(RAND Corporation)は、研究レポート“Media Literacy Standards to Counter Truth Decay”を公開しました。

同レポートは、複雑で急速な進化の進むメディアと情報技術を取り巻く環境の中で、政治的な議論や公共の議論における事実・データ・分析の果たす役割が縮減する「真実の腐敗(Truth Decay)」が勢いを増しつつある状況を受けて作成されました。メディアリテラシーは、あらゆる形の情報流通に対するアクセス・分析・評価・創造・行動のための能力であり「真実の腐敗」に対抗し得る技能ですが、習得のための教育実践にあたって、具体性を欠く点が障害となっています。また、メディアリテラシーに関する標準規格が乱立していることも、自身にとって特に重要な技能を判断しようとする利害関係者にとっては課題となる可能性があります。

同レポートは、「真実の腐敗」の観点から、メディアリテラシー・デジタルリテラシー・情報リテラシー・ニュースリテラシー・社会性と情動スキル教育(social and emotional learning)等の分野の既存のリテラシー標準を統合した、簡潔な単一のリテラシー標準の作成について説明した内容となっています。

Research Reports(RAND Corporation)
https://www.rand.org/pubs/research_reports.html
※2021年1月19日付の出版物として“Media Literacy Standards to Counter Truth Decay”とあります。

Media Literacy Standards to Counter Truth Decay(RAND Corporation)
https://doi.org/10.7249/RRA112-12

参考:
CA1966 – 動向レビュー:フェイクニュースと図書館の関わり:米国における動向 / 鎌田 均
カレントアウェアネス No.342 2019年12月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1966

米・ランド研究所、信頼度・人口階層・党派性といった要因がニュースの選択に与える影響等を調査した報告書“Profiles of News Consumption Platform Choices, Perceptions of Reliability, and Partisanshipを公開
Posted 2019年12月27日
https://current.ndl.go.jp/node/39869

米国図書館協会(ALA)、図書館におけるメディアリテラシー教育のためのガイドを公開
Posted 2020年12月14日
https://current.ndl.go.jp/node/42759