2019年12月10日、米国に拠点を置く公共政策課題の解決策開発等に取り組む非営利の研究組織であるランド研究所(RAND Corporation)が、報告書“Profiles of News Consumption Platform Choices, Perceptions of Reliability, and Partisanship”を公開しました。
同報告書は、ニュースへの信頼度、人口階層、党派性といった要因がニュースの選択に与える影響やニュースを異なる視点で探す頻度を調査するために、米国人2,543人を対象に実施した調査をまとめたものです。
調査結果として以下があげられています。
・主要なニュースの情報源がソーシャルメディアや人である人は一般的に若者と女性で、高卒以下の学歴で、家計収入が少ない傾向がある。
・主要なニュースの情報源が紙媒体やテレビである人は、高齢である傾向があり、未婚である率が高い。
・主要なニュースの情報源がラジオである人は、男性である傾向が高く、現職で、大卒である率が高い。
・主要なニュースの情報源がオンラインプラットフォームである人は、より若く、男性で、大卒であり、収入が高く、黒人でない傾向がある。
・44%が過去と同様ニュースは信頼できると回答。一方で41%がニュースの信頼性が低下したと回答し、15%がより信頼できるようになったと回答した。
・ニュースの入手にあたり、オンライン、ラジオ、ソーシャルメディア、人に依存している人は、ニュースが過去より信頼できると回答する傾向が低い。
・異なる視点のニュースも探すかについて、常に・ほぼ常にと回答したのは20%、時々が54%、稀にが17%、まったくない・ほぼ全くないが9%であった。
・党派性は、入手したニュース、ニュースの信頼性に対する認識、異なる視点からのニュースを探す意欲といったニュースの消費行動に広く関係している。
One-Third of Americans Use News Sources They Consider Less Reliable(RAND Corporation, 2019/12/10)
https://www.rand.org/news/press/2019/12/10.html
Profiles of News Consumption Platform Choices, Perceptions of Reliability, and Partisanship(RAND Corporation)
https://www.rand.org/pubs/research_reports/RR4212.html
https://www.rand.org/content/dam/rand/pubs/research_reports/RR4200/RR4212/RAND_RR4212.pdf
※二つ目のリンクが報告書本文[PDF:0.8MB]です。
参考:
若者の半数はソーシャルメディアやYouTubeからニュースを入手している:米国の調査
Posted 2019年8月20日
https://current.ndl.go.jp/node/38827
若者のオンライン情報に対する情報評価能力に関する調査(米国)
Posted 2016年11月24日
http://current.ndl.go.jp/node/32988
E1415 – 豪州の大学生の日常情報探索とニュースメディア<文献紹介>
カレントアウェアネス-E No.234 2013.03.28
http://current.ndl.go.jp/e1415