2021年1月11日、韓国の国立障害者図書館が、障害者用代替資料の制作に関する管理指針の改正を発表しています。
同館では、2010年から、利用者からの申請を受け、学業・職務・自己啓発・教養に必要な様々な媒体の障害者用代替資料を制作していますが、今回、代替資料の環境の変化や制作ニーズにあわせて管理指針の改正を行ったものです。
主要な改正点として、
・1回あたり、および、年間の申請数の上限廃止
・機関による代理申請を可能に(ただし申請者は同館の個人会員登録が必要)
・政府刊行物、学術資料、子ども/青少年資料の申請を可能に(教科書・問題集は除く)
が挙げられています。
聯合ニュースの報道によると、障害者用代替資料には視覚障害者用の点字資料・録音資料や聴覚障害者用の手話映像資料があり、今回、デジタル録音資料基準で1人あたり1回5冊・年間15冊の申請上限を廃止したとのことです。また、2021年、同館では、重度視覚障害者が対象であった点字資料の製作を高齢の視覚障害者に拡大することや、公共機関・大学・私立の障害者図書館での障害者用代替資料の制作の申請を可能とするシステムの開発・普及も計画していると報じられています。ただし、改正後、多くの申請がある場合、制限を受ける事もあるとしています。
공지사항(お知らせ)
https://www.nld.go.kr/ableFront/notice_board/list.jsp
※「351 공지 국립장애인도서관 대체자료 제작신청 관리지침 전면 개정 안내(2021.01) 등록: 2021.01.11」(351 お知らせ 国立障害者図書館代替資料制作申請管理指針全面改正の案内 登録:2021.01.11)とあります。
국립장애인도서관, 자료신청제한 폐지·점자자료출력서비스 확대(国立障害者図書館、史料申請制限廃止・点字資料の製作サービス拡大)(聯合ニュース,2021/1/11)
https://www.yna.co.kr/view/AKR20210111085600005
参考:
韓国国立障害者図書館、国立中央図書館(NLK)から移管され、文化体育観光部の所属機関に:国の障害者サービス政策の策定・総括を担当
Posted 2020年6月5日
https://current.ndl.go.jp/node/41141
韓国国立中央図書館(NLK)の国立障害者図書館、障害者のための図書館資料無料郵送貸出サービスの対象を全ての登録障害者・国家有功傷痍者・長期療養者に拡大すると発表
Posted 2019年1月30日
https://current.ndl.go.jp/node/37483
韓国国立中央図書館(NLK)、障害者のための図書館資料無料郵送貸出サービスの大学図書館への拡大を発表
Posted 2018年12月21日
https://current.ndl.go.jp/node/37272
韓国国立中央図書館(NLK)、国立障害者図書館のウェブサイトに発達障害者の方を対象としたコンテンツの搭載を発表
Posted 2018年7月27日
https://current.ndl.go.jp/node/36402
E2135 – 私達の人生を変える図書館:第3次図書館発展総合計画(韓国)
カレントアウェアネス-E No.368 2019.05.16
https://current.ndl.go.jp/e2135
※障害者・病院・兵営・刑務所の図書館のサービス拡充
CA1881 – 動向レビュー:韓国の国立障害者図書館と図書館での障害者サービスの現状 / 孫 誌衒
カレントアウェアネス No.329 2016年9月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1881