2020年11月30日付で、SPARC Europeは、オープンサイエンス基盤サービスを提供する10人の運営者に実施した全てのインタビューの公開が完了したことを受けて、一連のインタビューに共通する知見の要約版を公開したことを発表しました。
SPARC Europeは2020年の夏に、学術情報基盤サービスが成長・持続的な運営・革新を目指す際の意思決定・課題を明らかにする目的で、持続性・拡張性を備えたオープンサイエンス基盤の実現を目指して活動するイニシアチブInvest In Open Infrastructure(IOI)との共同によるインタビューを実施しました。実施したインタビューの内容は2020年9月29日から数回に分けてリポジトリZenodoで公開され、11月30日付で10件全てのインタビューが公開されました。インタビュー対象となったのは、以下の10件のオープンサイエンスに関連する基盤的なツール・サービスの運営者です。
・信頼性の高い研究データの保存・再利用アーカイブを提供する“4TU.ResearchData”
・プレプリントサーバ“arXiv”
・学会・会議予稿集内で公開されたコードの発見・実行のためのプラットフォーム“Code Ocean”
・データリポジトリ“Dryad”
・フランスの学術出版社“EDP Sciences”
・オープンアクセス出版プラットフォームを提供する“F1000 Research”
・研究データ公開プラットフォーム“Figshare”
・オープンサイエンス促進のためのデータ集約ツールを提供する“Our Research”
・Elsevier社の文献管理ツール“Mendeley”
・メキシコ州立自治大学の運営する学術出版プラットフォーム“Redalyc”
各インタビューでは、サービスの開始からインタビュー実施時点までの期間における、財政的な持続可能性確保のための意思決定のポイント、資金調達モデル、得られた教訓などが示されています。
Sparc Europeは、インタビュー公開の完了を受けて、全てのインタビューに共通する見解を簡潔に紹介するため、得られた知見を1ページにまとめた要約版を作成してウェブサイト上で公開しています。
Insights into the sustainability choices of ten key OS infrastructure(SPARC Europe,2020/11/30)
https://sparceurope.org/infrajourney_findings/
10 Key Interviews(SPARC Europe)
https://sparceurope.org/ioiinterviews/
THE SKIM – Series: 10 Key Interviews; Insights into the sustainability
of Open Infrastructure services [PDF:104KB](SPARC Europe)
https://sparceurope.org/wp-content/uploads/dlm_uploads/2020/11/the-skim_10Key-1.pdf
参考:
SPARC Europe、欧州のオープンアクセス・オープンサイエンス・オープンスカラシップを支えるインフラの現況把握のためアンケート調査を実施中
Posted 2020年5月25日
https://current.ndl.go.jp/node/41026
SPARC Europe、欧州のオープンサイエンスのインフラの現状に関する調査レポートを公開
Posted 2020年11月4日
https://current.ndl.go.jp/node/42426