2020年11月18日、大学図書館コンソーシアム連合(JUSTICE)は、エルゼビア社との間でオープンアクセス(OA)の目標を支援するための購読契約提案に合意したと発表しました。
同日付けでエルゼビア社も本件に関するプレスリリースを公表しており、JUSTICE運営委員会委員長の細川聖二氏による、JUSTICEのOA2020ロードマップに沿った提案がエルゼビア社からなされたことを歓迎するコメントも掲載されています。
エルゼビア社のプレスリリースによれば、日本のOA目標を支援するための施策を盛り込んだ2021年1月1日から3年間の契約提案に合意したとあり、エルゼビア社にとってこの種の合意はアジア・太平洋地域で初としています。
この提案に基づき、JUSTICEに加盟する大学は購読契約の提案(the subscription proposal)とゴールドOAを推進する提案(the proposal to promote Gold OA)のいずれかを選択することが可能となります。後者の提案は、エルゼビア社が提供する学術文献のオンラインプラットフォームScienceDirectへのアクセスを継続しつつ、OA出版を望む著者の経済的負担を軽減することを意図したものとあります。
さらに、JUSTICEとエルゼビア社との協力により、日本の500以上の機関及びその研究者に対しグリーンOAをめぐる国家目標を支援するオプションを提供すること、エルゼビア社のジャーナルでのOA出版を支援するインセンティブを提供することにも言及しています。
2020年のニュース(JUSTICE)
https://www.nii.ac.jp/content/justice/news/index.html#anc2020
※2020年11月18日付けのニュースに「プレスリリースのお知らせ: JUSTICEとエルゼビア、OAの目標を支援するための提案に合意」とあります。
プレスリリースのお知らせ: JUSTICEとエルゼビア、OAの目標を支援するための提案に合意(JUSTICE)
https://www.nii.ac.jp/content/justice/news/2020/20201118.html
Elsevier and Japan Alliance of University Library Consortia for E-Resources agree on proposal for subscription framework with measures to support Open Access goals(Elsevier, 2020/11/18)
https://www.elsevier.com/about/press-releases/corporate/elsevier-and-justice-agree-on-proposal-for-subscription-framework-with-measures-to-support-open-access-goals
参考:
JUSTICEのOA2020ロードマップが公開される
Posted 2019年3月28日
https://current.ndl.go.jp/node/37893
大学図書館コンソーシアム連合(JUSTICE)、OA2020の関心表明に署名
Posted 2016年8月12日
http://current.ndl.go.jp/node/32308
E2259 – CUPからのRead & Publishモデル契約の提案について
カレントアウェアネス-E No.391 2020.05.28
https://current.ndl.go.jp/e2259
E1189 – 大学図書館コンソーシアム連合JUSTICEの誕生:現状とその将来
カレントアウェアネス-E No.196 2011.07.07
http://current.ndl.go.jp/e1189
CA1977 – 動向レビュー:学術雑誌の転換契約をめぐる動向 / 尾城孝一
カレントアウェアネス No.344 2020年6月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1977