2020年11月13日、Wiley社は、発達心理学分野の関連学会および学術雑誌との連携ネットワークとして、“Development Science Publishing Network”を立ち上げたことを発表しました。
“Development Science Publishing Network”は、発達心理学分野の著者・学術雑誌編集者・査読者にとって、迅速で容易な出版プロセスを実現することを目的に立ち上げられました。編集者は自身の雑誌の想定対象でない論文を、ネットワーク内のより適した別の雑誌へ迅速に転送することが可能になります。論文著者はネットワーク内の別の雑誌への紹介や、自身の論文の転送について承認するかどうかを選択することができます。査読の内容も論文とともに転送することができるため、ネットワーク内では査読プロセスの負担を軽減することができる、としています。
同ネットワークには、“Child Development”、“Developmental Science”、“Social Development”、“Mind Brain and Education”、“Journal of Research on Adolescence”など、同社の刊行する発達心理学分野の学術雑誌14誌が参加しています。
Wiley Collaborates Across its Psychology Journals to Launch Publishing Network(Wiley,2020/11/13)
https://newsroom.wiley.com/press-releases/press-release-details/2020/Wiley-Collaborates-Across-its-Psychology-Journals-to-Launch-Publishing-Network/default.aspx
参考:
学術雑誌のオープン・ピア・レビュー、共同査読、プレプリント公開に関する方針を確認できるデータベース”Transpose”公開
Posted 2019年6月25日
https://current.ndl.go.jp/node/38446
コールド・スプリング・ハーバー研究所、bioRxivに投稿されたプレプリントに並べて査読内容を掲載する試行プロジェクト“Transparent Review in Preprints(TRiP)”を開始
Posted 2019年10月4日
https://current.ndl.go.jp/node/39192
欧州分子生物学機構とASAPbio、投稿前原稿の査読プラットフォームサービス“Review Commons”を2019年12月に立ち上げ
Posted 2019年10月7日
https://current.ndl.go.jp/node/39203
主要な学術雑誌171誌の査読・プレプリントに関する方針の明確性等の調査(文献紹介)
Posted 2020年11月9日
https://current.ndl.go.jp/node/42454
CA1829 – 査読をめぐる新たな問題 / 佐藤翔
カレントアウェアネス No.321 2014年9月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1829