英・オックスフォード大学出版局(OUP)は、2020年9月29日付けの発表において、ポートフォリオ内の290を超える学術誌にOUPの新しい研究データポリシーを導入したことを報告しています。
発表によれば、新しい研究データポリシーは2020年初めに正式に開始され、次の2点に重点が置かれています。
・発表された研究の基礎となる研究データの透明性向上のため、データ利用可能性ステートメントを含めること
・国際組織FORCE11(The Future of Research Communications and e-Scholarship)による「データ引用原則の共同宣言」(Joint Declaration of Data Citation Principles:JDDCP)へのOUPの支持を踏まえ、引用文献リストにデータセットの完全な引用を含めること
また、新しい研究データポリシーではマルチレベルのアプローチを採用したことも紹介されています。主題分野を超えた多様なニーズや既存の学問的慣行への対応として、データ利用可能性に関するポリシーに4つのレベルを設定しており、研究データの特性は学術分野間で大きく異なることから、各ジャーナルでは分野に応じたレベルのポリシーを導入しているとしています。
Announcements from OUP(OUP)
https://academic.oup.com/journals/pages/announcements_from_oup
※2020年9月29日付けの発表に“Oxford University Press celebrates success of new research data policy”とあります。
Oxford University Press celebrates success of new research data policy(OUP)
https://academic.oup.com/journals/pages/new-research-data-policy
関連:
Research Data Policy(OUP)
https://academic.oup.com/journals/pages/authors/preparing_your_manuscript/research-data-policy
参考:
E2234 – 「データ引用原則の共同宣言」:データ引用を学術界の慣習に
カレントアウェアネス-E No.386 2020.02.27
https://current.ndl.go.jp/e2234
E2250 – 研究データの公開・利用条件指定ガイドラインの策定
カレントアウェアネス-E No.389 2020.04.23
https://current.ndl.go.jp/e2250
CA1980 – データ引用を研究活動の新たな常識に:研究データ利活用協議会(RDUF)リサーチデータサイテーション小委員会の活動 / 能勢正仁,池内有為
カレントアウェアネス No.345 2020年9月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1980