2020年9月24日、I4OA(Initiative for Open Abstracts)は、オープンアクセス学術出版協会(OASPA)が同日開催するオンライン会議上で、正式な立ち上げを行うことを発表しました。
I4OAは、学術出版社・学術図書館員・研究者・インフラ提供者・その他ステークホルダーの協働により設立された、抄録(Abstract)データのオープン化を推進するイニシアティブです。
多くの抄録がすでに複数の書誌データベース上で利用可能となっている一方で、購読が必要・機械可読でない・分野が限定されている、といった制約も存在します。I4OAは、研究における発見を加速化するため、全ての学術出版社に対し抄録データのオープン化を、特にCrossrefへの提供を通じたオープン化を求めています。
すでに40の学術出版社がI4OAへの支持とCrossrefへの抄録データの提供に同意しており、図書館・図書館協会・インフラ提供者・国際的な研究助成機関を含む56のステークホルダーも支持を表明しています。I4OAの発表には、これら支持者のリストも掲載されています。
発表によれば、I4OA設立の契機として、2017年に立ち上げられた引用データのオープン化を推進するイニシアティブI4OC(The Initiative for Open Citations)の成功を挙げています。
Initiative for Open Abstracts Launches to Promote Discovery of Research(I4OA, 2020/9/24)
https://i4oa.org/press.html
参考:
E2160 – オープン・サイテーションと機関リポジトリの展開<報告>
カレントアウェアネス-E No.373 2019.07.25
https://current.ndl.go.jp/e2160
引用データのオープン化を推進するイニシアティブI4OC、Crossrefに登録された雑誌論文の参考文献のOA率が50%を超えたと発表
Posted 2017年11月27日
https://current.ndl.go.jp/node/35061
引用データのオープン化を推進するイニシアティブI4OC立ち上げ
Posted 2017年4月11日
https://current.ndl.go.jp/node/33824
オープンアクセス学術出版協会(OASPA)、2020年1月から加盟機関に対してCrossrefに登録した引用データのI4OCの要件に従ったオープン化義務を導入
Posted 2019年9月4日
https://current.ndl.go.jp/node/38950