Elsevier社による引用データオープン化に関するQ&A(記事紹介)

オランダ・ライデン大学の科学技術研究センター(Centre for Science and Technology Studies :CWTS)の公式ブログ“Leiden Madtrics”上で、2020年12月22日付けで記事“Q&A about Elsevier’s decision to open its citations”が公開されています。

2020年12月16日に、Elsevier社は研究評価の改善を求める「研究評価に関するサンフランシスコ宣言」(DORA)に署名したことを発表し、同社のジャーナルに掲載された全論文の参考文献リスト(reference lists)をCrossref経由で公開し、再利用可能とする意向もあわせて表明しました。本記事では、CWTSの副所長であり、抄録データのオープン化を推進するイニシアティブI4OAの創設者の一人でもあるLudo Waltman氏が、Elsevier社による引用データのオープン化をめぐる次の6つの質問に答えています。

・同社による引用データオープン化がなぜ重要なのか
・同社による引用データオープン化になぜこれほど時間がかかったのか
・(同社以外も含め)全ての引用データがオープン化されたのか
・同社の引用データオープン化はすでにMicrosoft Academic上でなされているが、今回同社が行ったCrossref上でオープン化するという決定の重要性は何か
・Web of Science、Scopus、Dimensionsといった商業プラットフォームにどう影響するか
・抄録データのオープン化に関する同社の取組状況はどうか

Q&A about Elsevier’s decision to open its citations(Leiden Madtrics, 2020/12/22)
https://leidenmadtrics.nl/articles/q-a-about-elseviers-decision-to-open-its-citation

参考:
Elsevier社、「研究評価に関するサンフランシスコ宣言」(DORA)に署名
Posted 2020年12月17日
https://current.ndl.go.jp/node/42789

オープンアクセス学術出版協会(OASPA)、2020年1月から加盟機関に対してCrossrefに登録した引用データのI4OCの要件に従ったオープン化義務を導入
Posted 2019年9月4日
https://current.ndl.go.jp/node/38950

英・オックスフォード大学出版局(OUP)、抄録データのオープン化を推進するイニシアティブI4OAに参加する意向を表明
Posted 2020年12月14日
https://current.ndl.go.jp/node/42755

E2160 – オープン・サイテーションと機関リポジトリの展開<報告>
カレントアウェアネス-E No.373 2019.07.25
https://current.ndl.go.jp/e2160