オーストラリア政府、著作権法を改正予定であることを発表:デジタル環境での資料へのアクセス支援のため

2020年8月13日、オーストラリア・インフラ・運輸・地方開発・通信省が、著作権法を改正予定であることを発表しました。

発表によると、今回の改正では、オーストラリアの国民および公共機関のデジタル環境での資料へのアクセスを支援することが目的とされています。また、新型コロナウイルス感染症感染拡大により、著作権の改正へのニーズがより高まったことに触れています。

改正草案は2020年の後半に公開する予定であり、改正予定の項目として次の5点が挙げられています。

1.オーファンワークスの利用に関する枠組み
調査が行われたものの著作者が不明であり、著作が著者に帰属していることが明確な著作物の利用を許可する項目の追加。

2.非営利目的の引用に関するフェアディーリングの例外規定
非営利目的の引用またはサービスや製品にとって商品的価値を持たない引用であり、文化・教育・政府機関、公益や個人的研究に関わる個人により、引用に関する公正な慣習に従って行われるものに対するフェアディーリングの例外規定の追加。

3.図書館および公文書館に関する例外規定の改正
図書館および公文書館に関して定められている例外規定について、全ての著作物に適用され、技術的に中立となるように簡略化、更新を行う。

4.教育に関する例外規定の改正
教育機関での授業における著作物の利用に関する現行の制約や不確定要素を取り除く。

5.政府の法定ライセンスの仕組みの合理化
著作権の集中管理制度等について合理化を行う。

Copyright access reforms(Department of Infrastructure, Transport, Regional Development, Communications, 2020/8/13)
https://www.communications.gov.au/departmental-news/copyright-access-reforms

参考:
オーストラリア連邦議会、著作権法改正法案を可決:障害者の著作物へのアクセス促進及びデジタル教育環境下での著作物の利用促進等
Posted 2017年6月26日
https://current.ndl.go.jp/node/34249