独・アーロルゼン・アーカイブズ、ナチス政権の迫害に関する約2,600万点の文書をオンライン公開

2020年4月14日、ドイツのアーロルゼン・アーカイブズ(Arolsen Archives)は、約2,600万件の文書をオンライン公開したことを発表しました。

アーロルゼン・アーカイブズは、ホロコーストの記憶の継承を使命とするInternational Center on Nazi Persecutionが運営する、ナチス政権の迫害に関する世界で最も包括的なアーカイブです。所蔵文書はユネスコの「世界の記憶」にも登録され、点数は3,000万点以上にのぼります。今回ホロコーストの犠牲者約2,100万人の名前が記された約2,600万点の文書がオンライン公開され、アーロルゼン・アーカイブズの所蔵資料の大部分がオンライン上で利用可能になりました。

アーロルゼン・アーカイブズの文書のデジタル化は、イスラエルのヤド・ヴァシェム世界ホロコースト記憶センター(the World Holocaust Remembrance Center Yad Vashem)とともに取り組まれ、2019年5月に「世界の記憶」登録文書を含む約1,300万点の文書がすでにオンライン公開されています。

今回新たに、ナチス政権下の強制労働の犠牲となった人々に関する文書の原本と写しで構成される“Card index of forced laborers”、強制収容所やゲットーへの移送に関する記録“Deportations”の2つのコレクションがオンライン上で利用可能となりました。

26 million documents about victims of Nazi persecution online(Arolsen Archives,2020/4/14)
https://arolsen-archives.org/en/news/26-millionen-dokumente-ueber-ns-verfolgte-online/

Online archive of Arolsen Archives
https://collections.arolsen-archives.org/en/search/

関連:
More than 13 million documents online(Arolsen Archives,2019/5/21)
https://arolsen-archives.org/en/news/more-than-13-million-documents/

参考:
E650 – ナチスのホロコースト関係資料,秋にも公開へ
カレントアウェアネス-E No.107 2007.05.30
https://current.ndl.go.jp/e650

ドイツ没収文化財財団(Deutsches Zentrum Kulturgutverluste)、文化財・コレクションの来歴調査のためのデータベース“Proveana”を公開
Posted 2020年1月29日
https://current.ndl.go.jp/node/40088

イスラエルのヤド・ヴァシェム記念館、Googleと提携してホロコースト関係写真資料等をデジタル化公開
Posted 2011年1月27日
https://current.ndl.go.jp/node/17519