新型コロナウイルス流行下の社会の記憶を収集・アーカイブするプロジェクト“coronarchiv”(ドイツ)

2020年3月26日、ドイツのハンブルク大学は、同大学及びボーフム大学・ギーセン大学の研究者らが共同して、“coronarchiv”プロジェクトを開始したことを発表しました。

新型コロナウイルスとこれに対する政治的反応は、市民社会の生活全般を根本的に変革しつつあり、ウイルスの大流行とそれがもたらす帰結はすでに歴史的な重要性を帯びています。新型コロナウイルスの大流行は、報道やソーシャルメディア上で、画像・音声・動画等の形で広く流通しており、“coronarchiv”はこれらの記録を電子的な形で収集・アーカイブするプロジェクトです。

“coronarchiv”プロジェクトのオンラインポータルは全ての人にアクセスを開放しており、自身の新型コロナウイルスに関する記憶の共有や現在進行中の「新型コロナウイルスによる危機」の記憶を閲覧することができます。“coronarchiv”へは誰もがテキスト・写真・音声・動画を簡単にアップロード可能です。アップロードされたオブジェクトには作成日時や場所などのメタデータが付与され、オンラインポータル上で利用することが可能になります。“coronarchiv”プロジェクトでは、一般からの投稿だけでなく積極的に対象物の探索や撮影、データの整備、多言語での提供、ソーシャルメディアによる宣伝等に貢献可能なボランティアを募集しています。

なお、“coronarchiv”には、デジタルオンラインコレクション構築のためのオープンソースのコンテンツマネジメントシステム(CMS)であるOmeka Sが利用されています。

Digitale Sammlung für Erinnerungen zur Corona-Pandemie Projekt „coronarchiv“ startet(Universität Hamburg,2020/3/26)
https://www.uni-hamburg.de/newsroom/presse/2020/pm17.html

coronarchiv
https://coronarchiv.geschichte.uni-hamburg.de/

参考:
中国の博物館・図書館が「新型コロナウイルスとの闘い」に関する資料を収集中:行政資料や医療従事者の日記など
Posted 2020年3月4日
https://current.ndl.go.jp/node/40399

韓国国立中央図書館(NLK)、新型コロナウイルス感染症に関するウェブアーカイブを公開へ:国際インターネット保存コンソーシアム(IIPC)による同感染症のウェブアーカイブプロジェクトにも参加
Posted 2020年3月10日
https://current.ndl.go.jp/node/40442

国際インターネット保存コンソーシアム(IIPC)、新型コロナウイルス感染症に関するウェブアーカイブ“Novel Coronavirus (COVID-19) ”を公開
Posted 2020年3月18日
https://current.ndl.go.jp/node/40537

新型コロナウイルス流行下における地域の経験を記録する:デジタルアーカイブ作成の取組(米国)
Posted 2020年3月25日
https://current.ndl.go.jp/node/40591

オーストリア・ウィーンミュージアム、新型コロナウイルス流行下におけるウィーンの状況を示す写真の提供を呼びかけ
Posted 2020年3月27日
https://current.ndl.go.jp/node/40630